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150年の歴史を持つ東京都多摩市のお寺・大乗寺の大内おおうち義雄ぎおう住職。立正大学を卒業後、仏教関係の新聞社の記者などの職歴を経て、平成3年(1991年)より第6世大乗寺住職に就任。お寺は住職の人柄が大切だと考えられている大内住職に、お寺のことやご自身のこと、そして永代供養墓に対する想いなどをお伺いしました。

住職プロフィール

住職プロフィール

大内 義雄(おおうち ぎおう)
昭和23年(1948年)2月16日生まれ(偶然にも日蓮聖人と同じ誕生日)。岩手県花巻市出身。日蓮宗にちれんしゅう経王山きょうおうざん大乗だいじょう」第6世住職。
立正大学で仏教や西洋哲学を学び、卒業後は仏教関係の新聞社の編集・記者などの職歴を経て、仏教の道に進み、平成3年(1991年)より第6世大乗寺住職に就任。

大乗寺は、京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」からバスで約12分、「中和田」バス停から徒歩で約4分の場所に位置します。大きな駐車場も完備されており、車でのお墓参りもしやすいです。
寺院は住宅地にありますが、近隣の神社などとともに厳かな雰囲気を感じられる区域です。境内は広く、湧き水を利用した池などもあり、本堂や墓地は日当たりの良い自然豊かな環境にあります。しだれ桜や睡蓮やシャクヤク、ヒガンバナや孟宗竹もうそうちくなどの植物が四季を彩ります。

お寺について

創建から150年の歴史

──まずは、大乗寺の歴史について教えていただけますか。

浅草猿谷町に明治16年(1883年)2月16日、創立導師自我偈院日也上人により「本化正統経王会」が創建されました。開基檀越だんおつ(※1)は兼子伝五衛門でした。

猿谷町で信心を集め、檀家も多く集めましたが、五世に当たる本行院日壽上人しょうにんの時代の昭和20年(1945年)に太平洋戦争で罹災したため、戦後駒込に再建して「大乗寺」と改名し、離散した檀信徒に布教を再開しました。そして、昭和27年(1952年)には宗教法人となりました。当時、檀信徒の墓地は巣鴨の染井霊園そめいれいえんにあり、寺院と墓地を共にするため、昭和46年(1971年)に現在の多摩市へ移転しました。

現在の本堂は平成21年(2009年)、日蓮大聖人の立正安国論奏進そうしん750年に合わせて完成したものです。大乗寺の本尊の勧請かんじょう様式は大曼荼羅だいまんだら御本尊、一尊四士いっそんしし文殊菩薩もんじゅぼさつ普賢菩薩ふげんぼさつ祖師そし折伏しゃくぶく像を配しています。また、最上位経王菩薩や高村東雲たかむらとううんの手による鬼形鬼子母神きぎょうきしぼじんなども大切に保管してあります。

※1檀越だんおつ…寺や僧に布施をする信者。檀那。檀家。

本堂内観

年中行事の法要後は様々なイベントを開催

──年中行事や定期的なイベントは現在実施されていますか。

1月3日に「新年祝祷会しんねんしゅくとうえ」、3月21日頃の春分の日に「春のお彼岸法要」、7月の第3月曜日に「お施餓鬼」、9月23日頃の秋分の日に「秋のお彼岸法要」、それから先代の命日が12月3日だったものですから11月3日に「御会式おえしき法要」を行っています。

法要の後に、新年祝祷会の時はお餅つきを行い、つきたてのお餅、甘酒や豚汁を振る舞ったり、お施餓鬼の時には流しそうめんを楽しんだりしていました。子供たちも集まって喜んでくれていました。その他の法要の後にも茶話会さわかいのようなかたちでお茶を飲んだり、お弁当をお出ししてお話をしたりもしていたのですが、コロナになってからは中々できていませんね。もちろんコロナがおさまったら、またやっていきたいです。

ただ開催できることはやっていまして、今年3月の春のお彼岸法要の後は、クラシックのコンサートを開催する予定です。昨年の秋のお彼岸法要の後もクラシックのコンサートを開催し、お施餓鬼法要の後は東家あずまや一太郎いちたろう師匠による浪曲ろうきょく(※1)、そして御会式の後は毎年開催しているのですが 立川たてかわ小談志こだんし師匠に落語を披露していただいています。来ていただける方を大切にして、継続していけることはやっていきたいですね。

※1浪曲ろうきょく…明治時代初期から始まった芸能で、三下りの三味線を用いて物語を節と啖呵(台詞)で演じる語り芸。

立川小談志師匠による落語の様子

──本堂でのヨガも定期的に開催されていますよね。

そうですね。ヨガもかれこれ10年くらい本堂で月に1回開催しています。コロナ禍になる前は、夏のヨガの後にも流しそうめんやバーベキューなどもやっていましたね。

ヨガ教室の様子

──年中行事やヨガなどのイベントはお檀家さん以外も参加できるのでしょうか。

もちろん一般の人も誰でも参加できます。いまは皆さんホームページで情報収集されるかと思いますが、若住職が情報を更新していますので、ぜひそちらをご覧いただければと思います。

大乗寺公式HPはこちら

住職について

大学での師匠との出会い

──ここからはご住職自身のことについてお伺いしたいと思います。仏教の道に進むまでのご経歴を教えていただけますか。

立正大学で仏教や西洋哲学を学びました。大学のときの先生が私の師匠でして、在学中に出家させてほしいと伝えましたが、その時は私がまだ若かったこともあり、よく考えなさいとのお言葉をいただきました。

そのような経緯もあり、卒業後は就職し、仏教関係の新聞社の編集・記者をやっていました。各宗派の集会などに取材に行って、記事を書いて、印刷を依頼して、というような仕事でした。ちなみに、当時はまだ活字を組んで印刷する時代でした。

しかし、仕事をしながらも出家したいという気持ちがずっとありましたので、やはり昭和53年(1978年)頃に出家を決断し、師匠に一から教わりました。そして、大乗寺は先代住職が昭和59年(1984年)にお亡くなりになっていたので、当時は無住のお寺だったのですが、先代住職の七回忌の法要のときに声をかけていただきました。そのようなご縁もあり、平成3年(1991年)4月26日に住職の辞令を受けました。

──どのようなときに仏教の道に進み、ご住職になられてよかったと感じますか。

お経を上げているときや、お釈迦様のことを考えたり、日蓮聖人のことを考えたりしているときはやはり嬉しいですね。

趣味は武道

──ご住職のプライベートについてもお聞きしたく、ご趣味はありますでしょうか。

出家をする前から始めて、もう40年以上ずっと居合をやっています。あと今は弓道もやっています。弓道は70歳の頃に始めたので、始めて6年ぐらいになりますかね。多いときは週3回稽古に行っています。どうしても歳とともに体力が衰えるので、維持するために体を動かさなければいけませんからね。

あとは、うたいをやっていましたね。きっかけは私が書生として師匠のお寺にいたときに、出稽古においでになっている方がいらっしゃって、その方が人間国宝でした。その方の歌を聞いていて、声を出す仕事という共通点もあるので興味を持ち、師匠に頼み込んで教わるようになりました。お経を読むときも地声ですが、そのおかげで地声を鍛えられましたね。

大乗寺の永代供養墓について

それぞれの代の住職に役割がある

──永代供養墓を建立された背景を教えていただけますか。

それぞれの代の住職に役割があるのだと思っています。来た当初はまだ本堂はなかったですから、これは本堂を建てるのは私の仕事だなと思いました。地域に根ざしていくために、どのように寺院を拡大・充実させていくか考えていく必要があり、色々な方法があるとは思いますが、私にできることは本堂を建てることだと考えました。結果、色々な条件が重なり、縁に恵まれて、私の代で本堂を建てることができました。そして、次の代になる若住職の意見もあり、永代供養墓を建てようと積極的に始めました。

──建立されてから何か変化はありましたでしょうか。

この地域の方が多いですが、お墓参りに来ていただける方が増えましたね。お墓参りに来ていただけるお寺であることは大事ですので嬉しいですね。

──永代供養墓に入られた方のご家族とお話する機会はあるのでしょうか。

ご納骨をして法要をさせていただいた後に、少しお話させていただいています。本当はお茶でも飲みながら、ゆっくりお話したいという気持ちがあるのですが、コロナ禍ということもありますので基本は控えています。私としては、お墓参りにいらっしゃったときには気軽に話しかけていただけたら嬉しいですね。

永代供養墓「やすらぎ」

最後に

大乗寺の魅力

──地域にとってどのようなお寺でありたいですか。

お寺のあり方は、お檀家さんを含めて地域の方々が集まって、色々なことが相談できるような、地域のコミュニティーの中心になる場所になると一番良いと思っています。皆さんが気楽に来られるような場所でありたいです。

──ホームページにも、「1人でも多くの人の心が、穏やかになってほしい」そんな想いによって活動しているお寺です、と書いてありましたね。

心の安寧を感じて、自分が生きているということを喜んでいただけるような安心した気持ちの持ちようを育てていく、ということを大切にしていただきたいと思っています。

社会の中でどう生きていくのか、どう正しく生きられるのか、その正しさの標準としてお釈迦様の教えがありますので、その人なりの正しさとお釈迦様の教えを照らし合わせて、どうすればちゃんと生きていけるかということを伝えられればと思っています。

あとは、基本になるのは利他行りたぎょうで、人のために生きていくということです。縁というのは、みんないただいた縁ではありますが、それを活かせるかどうかは本人次第になります。悪縁は切ればよいですし、良縁は育めばよいのですが、悪縁といっても縁ですから、その人にとっても自分にとってもどうやって良い方向に変えていくかを考えることで、悪縁が教えてくれることもあります。

──ご住職は、地域にとってどのような存在でありたいですか。

私はお寺を守るということに注力してきましたが、地域に求められる存在でありたいですね。若住職は地域の消防団に声をかけられたりしましたが、地域の中で存在を求められるというのは大事なことです。今後はヨガなどのイベントも含めて、より地域との関わりを深めていければと思っています。

──大乗寺の魅力は、ご住職の人柄だと感じています。永代供養墓のご契約者様とも気さくに話されている様子をよく見ます。

お寺はやはり住職と大黒だいこくさん(※1)の人柄が大切だと思っています。この地域に来てからはまだ比較的に新しいお寺ですので、地域の方々により親しみを持っていただけるように色々と頑張っていきたいですね。

※1大黒だいこく…僧侶の妻。

インタビューを終えて

70歳から弓道を始められたというパワフルな大内住職。インタビュー中も笑顔で冗談を交えながら、気さくにお話してくださりました。そんなご住職のお人柄が、檀信徒さんや地域の方々に愛されている証なのだと思います。年中行事の法要後のコンサートや浪曲、落語などのイベントにぜひ皆さんも足をお運びいただき、大乗寺やご住職の魅力に触れていただけたら嬉しいです。

【アクセス】
所在地:東京都多摩市和田1505
最寄り駅:京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」
バス停:京王バス「中和田」バス停から徒歩4分

【主な年中行事】
1月3日       新年祝祷会
3月21日頃(春分の日) 春季彼岸会
7月 第3月曜日    施餓鬼会せがきえ
9月23日頃(秋分の日) 秋季彼岸会
11月3日       御会式おえしき

【関連情報】
大乗寺公式HP

大乗寺の永代供養墓はこちら

※調査期間:2021年1月1日~2023年12月31日
調査概要:「いいお墓」に掲載されている全国の企業における
永代供養墓の販売数を調査。株式会社鎌倉新書調べ
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