墓石に刻む文字の意味やルールは?文字の選び方や例、費用相場を解説
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「墓石の文字は何を書けばいい?」
「墓石に文字を入れる費用はどれくらい?」
「墓石に使う書体やフォントはどれを選ぶべきか知りたい」
このように、新しい墓石や既存の墓石に文字を彫る際、彫る文字や書体などをどう選べばよいかわからないという人も多いのではないでしょうか。
最近は和型だけではなく、洋型やデザイン墓などさまざまなタイプのお墓も増え、墓石に刻む文字も自由度が高くなっています。
この記事では、墓石の文字や書体の選び方、費用相場、文字例、彫刻の手順など、様々な疑問について解説しますのでぜひ参考にしてください。
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墓石に刻む文字に決まりはない
墓石に刻む文字は個人で自由に決められ、特に決まりはありません。漢字だけでなく、ひらがなやアルファベットも自由に彫刻できることから、「〇〇家之墓」のような一般的な文字だけでなく、好きな言葉や模様を自由に彫る人も増えています。
ただし、寺院や霊園によっては、墓石の文字にルールを決めているところもあります。
希望の文字やメッセージを墓石に彫れるかどうか、事前に確認しておくことが大切です。
墓石に彫る文字やメッセージで迷ってしまう場合は、一般的にどのような文字が彫られているのか、人気がある言葉は何なのかを石材店に聞いてみると良いでしょう。
墓石の文字の役割は?
墓石に文字を彫る理由としては、以下の3つがあります。
- 名前や命日などの情報を入れることで、その人のお墓と認識できる
- 故人への感謝を伝える
- 訪問者へメッセージを伝えられる
墓石に故人の名前や命日が彫刻されていることで、長い年月が経ってもその人のお墓と認識できます。
また、故人の好きだった言葉や教えなどを刻むことで、故人の人柄などに思いを馳せて偲ぶことができますし、墓石に刻まれた文字から訪問者が勇気をもらえることもあります。
このように、墓石に彫られた文字には、その人のお墓と認識させるだけでなく、親族や友人などお墓参りに来た人に、さまざまな感情を思い起こさせるという役割があります。
墓石に文字を入れる際の費用相場
墓石に文字を入れる費用は、文字の種類や数、イラストや模様の有無によってかわります。
ここでは、墓石に文字を彫刻する費用相場について、パターン別に解説します。
文字を彫る費用
墓石に文字を彫る費用は、約2万円~5万円です。ただし、文字の大きさや文字数、依頼する石材店によって費用が大きく変わることもあります。
長い戒名やメッセージ、高度な技術が必要なモチーフを彫刻するときには、追加料金が発生して費用が高くなる傾向があります。
追加で文字を彫る費用
既存のお墓に追加で文字を彫る場合、費用相場は約3万円~5万円です。
墓石の大きさや墓地の立地によっては、墓石を石材店に運んで彫刻作業をする場合があります。
このようなケースでは、搬送料として別途2万円~3万円ほど必要です。
模様を彫るときの費用
イラストや模様を墓石に入れる費用は、約10万円~20万円です。依頼主の要望を聞いてデザイン画から作成するため、費用が高くなります。
また、模様の大きさやデザインの内容によっても、費用が大きく変わります。
文字を消して新たに入れる際の費用
墓石に彫られた文字を消して新たに文字や模様などを彫刻する場合は、彫刻料の他に、既存の文字を消す作業代がかかります。
文字をパテで埋めて消す場合は、一文字数万円ほどかかります。
墓石をいったん工場等に移送して、彫刻した面を削って再度磨きあげる場合の費用相場は、約10万円~50万円ほどです。
墓石の文字を彫る場所と最適な彫刻
墓石の文字は、墓石の前面だけでなく、後ろや左右の面にも彫ります。
例えば、浄土真宗の場合は、以下のように4つの面に文字を彫刻します。
彫る場所 | 文字や文面 |
---|---|
墓石の正面 | 題目やオリジナルのメッセージ、好きな言葉など。 |
墓石の裏面 | 建立年月や建立者名。 |
墓石の右面 | 埋葬者の法名や没年月日、俗名や享年。 |
上台の正面 | 〇〇家などの家名。 |
宗旨や宗派によっては彫刻する文字が違うこともあるため、石材店や住職に確認するようにしましょう。
墓石の文字を考える際におさえておきたいポイント
墓石の文字を考えるときには、以下の4つのポイントを理解しておくことが大切です。
墓石の文字や書体は自由
墓石に彫る文字や書体は自由で、基本的には彫ってはいけない文字はありませんが、宗旨や宗派によっては、好ましくないと考えられる文字があります。
ただ、最近は故人や親族の気持ちを優先して言葉を決める人も多くなっています。
葬儀の際にお世話になったご住職や石材店に相談しながら、納得できる文字を彫刻するようにしましょう。
デザイン彫刻は花や鳥などが人気
最近は洋型墓石やデザイン墓も人気があり、模様や花、鳥など文字以外の模様を墓石に刻む人も多くなっています。
楽器やバイクなど、生前の趣味に関わる模様を彫刻することで、故人らしいお墓にする場合もあります。
文字の色は石の種類を考慮する
文字の色は、墓石に合わせて選ぶことが大切です。例えば、黒い墓石には白や銀、白い墓石には黒にすると文字が際立ちます。
また、文字に色をつけない「素掘り」は、色が劣化してはげてしまうことがないため、メンテナンスが不要というメリットがあります。
お墓を華やかな雰囲気にしたい場合は、明るい色で文字を彩色すると良いでしょう。
お墓に文字を彫るタイミングと必要な日数
墓石に文字を彫るタイミングは、基本的にいつでも問題ありませんが、四十九日やお盆など、納骨式までに彫刻を終わらせることが一般的です。
彫刻にかかる期間は約1ヶ月です。間に合わせたい時期から逆算し、余裕をもって彫刻を進めるようにしましょう。
墓石に刻む文字例
墓石に刻む文字は自由ですが、好んで刻まれる文字やメッセージがありますので紹介します。
和型の墓石の文字例
和型の墓石に多いパターンは以下です。
- 〇〇家之墓
- 〇〇家先祖代々之墓
- 〇〇家
このように、自分のお墓とすぐにわかるような文字を彫刻することが一般的ですが、宗派のお題目を彫刻することもあります。
宗派別の文字例
墓石に彫る題目は、以下のように宗派によって違いがあります。
宗派 | 題目 |
---|---|
浄土真宗・浄土宗・天台宗 | 南無阿弥陀仏 |
日蓮宗 | 南無妙法蓮華経 |
真言宗 | 南無大師遍照金剛 |
臨済宗、曹洞宗 | 南無釈迦牟尼佛 |
天台宗では大日如来や阿弥陀如来を表す梵字、真言宗では大日如来を表す梵字を一緒に彫刻する場合がありますので、お寺に相談すると良いでしょう。
洋型の墓石の文字例
洋型の墓石では、「〇〇家」と彫刻するのが一般的です。
また、「〇〇家」というパターンではなく、漢字一文字や気持ちを伝えられる言葉を彫る例も多くなっています。
洋型の墓石に使われる文字で、人気があるものを紹介します。
- 愛
- 偲
- 絆
- 心
- 和
- 感謝
- 誠実
- 想い
- 真心
- 心絆
- 平和
デザイン型の墓石の文字例
最近は墓石を故人の好きなモチーフにするなど、デザイン性が高いお墓も増えてきています。
デザイン墓は洋型よりも個性的な形が多いため、洋型に使われるような文字だけでなく、より自由度が高い、故人に合わせたメッセージを彫刻する場合もあります。
お墓参りに来てくれた人に気持ちを伝えられるような、故人の人柄が偲ばれるメッセージとして、以下のようなものがあります。
- また会う日まで
- また逢おう
- ありがとう
- 素晴らしい人生でした
- きっとまた会える
- 優しさをありがとう
墓石に刻む文字の書体例
墓石に文字を刻む際の書体は、大きく分けて5種類ありますので紹介します。
ゴシック体
ゴシック体は、線の強弱がなく日常生活でよく見かける書体のため、親しみやすい印象を与えます。
楷書体
楷書体(かいしょたい)は、墓石に刻む文字として一般的に使われており、筆の筆致のように「とめ」や「はね」、「はらい」などが分かりやすいことが特徴です。
文字が崩されていないため、力強く、かつ丁寧な印象を与えます。
草書体
草書体(そうしょたい)は字画が案略化されていて独特な書体のため、草書体を学んだ人でないと読めない可能性があります。
利用する人は少ない傾向にありますが、メッセージ色が強い言葉に適しています。
行書体
行書体(ぎょうしょたい)は、楷書体を崩して、続けて書いたような筆跡の書体です。流れるようなのびやかな印象を与え、品格もあるため、墓石にも多く利用されています。
隷書体
隷書体(れいしょたい)は、昔から墓石によく使われている書体です。横長で端正なバランスが特徴で、お札や印鑑などの文字にも使用されています。
安定感がある書体のため、歴史のあるお墓に適しています。
墓石に好きな文字を入れるときの注意点
墓石には自由に文字を彫刻できますが、いくつか注意点もあるため紹介します。
人が見て不快になる文字を避ける
墓石の文字は基本的に好きなものを選べますが、以下のような文字は見る人によってはネガティブな印象を与えるため、避けたほうが良いと考えられています。
- 落ちる
- 終わる
- 閉じる
- 失う
- 儚い(はかない)
- 泡沫(うたかた)
これらの文字は、お参りに来た人の気持ちを落ち込ませてしまったり、不快な気持ちにさせることがあります。
どうしてもこれらの言葉を入れたい場合は、親族や石材店のアドバイスも聞きながら進めるようにしましょう。
著作権に注意する
故人が好きだった歌詞や詩の一節などを彫りたい場合は、著作権者に許可を取るようにしましょう。無許可で墓石に彫刻すると、最悪の場合、著作権侵害で起訴されることもあります。
歌詞や本に関することであれば、出版社に問い合わせると良いでしょう。
寺院や霊園のルールがないか確認する
寺院や霊園によっては、墓石に彫刻する文字について、ある程度のルールが決められている場合があります。
文字を考える前に、決まりごとがあるかどうかを確認するようにしましょう。
墓石の文字の彫り方
墓石の文字は、書体だけでなく彫り方によっても見え方や印象が変わります。ここでは、墓石の文字の彫り方について、5つの方法を紹介します。
浮かし彫り
浮かし彫りとは、周囲を彫ることで文字や家紋を浮き出させる彫り方です。
陰影がしっかりつくため、文字の部分を彩色しなくても、文字をはっきりと見せることが可能です。
ある程度の技術が必要な彫り方のため、多くの場合、費用が高くなります。
ヤゲン彫り
ヤゲン彫りとは、梵字などを彫る場合に用いる方法で、文字のへこみ部分がV字になっていることが特徴です。
平彫り
平彫りとは、強弱をつけずにフラットに彫る方法です。流れるような躍動感はないものの、落ち着いた印象を与えます。
文字に水がたまりにくいため、プレート型のような平らなお墓によく使われます。
線彫り
線彫りとは、石に線を書くように細い彫刻する方法で、花などのシンプルな図柄を彫るときに適しています。
彫り込み
彫り込みとは、最も一般的な彫刻方法です。彫った文字がはっきりと浮かび上がるように見えることが特徴です。
お墓に文字を彫る手順
お墓に文字を彫るときには、納骨などのタイミングに間に合うよう、順序よく進めることが大切です。お墓に文字を彫る手順について解説します。
石材店を決める
墓石に文字を彫るときには、まず依頼する石材店を決めます。追加で文字を入れる場合は、その墓石を購入した石材店に問い合わせると良いでしょう。
知っている石材店がない場合は、寺院や霊園から付き合いのある石材店を紹介してもらえます。
できるだけ費用を抑えたい場合は、複数の石材店で見積もりを取ると良いでしょう。
彫刻する文字やイラストを決める
お願いする石材店が決まったら、墓石に彫刻する文字やイラストについて打合せをします。
何を彫るかを迷っている場合は、他の人の例などを聞きながら相談すると良いでしょう。
墓石の文字は彫りなおしが難しいため、戒名や俗名、享年、死亡年月日などを彫刻する場合は、正確な情報を伝えるようにします。
最終確認をする
墓石の文字の彫りなおしは間違いがないよう、彫る文字や模様の内容、場所などの最終確認を行います。
現場もしくは石材店で彫刻する
文字の彫刻は、墓地もしくは、石材店の作業現場に墓石を移動させて行います。
納骨式と魂入れの儀式をする
依頼主と石材店の双方が立ち合い、墓石の文字を確認して納品となります。墓石が出来上がったら、魂入れの儀式と納骨式をおこない、納骨します。
墓石の文字を追加で彫るときの手順
お墓の文字を追加で彫るときには、以下のような手順で行います。
- 彫刻してもらう石材店を探す
- 文字を刻むタイミングを決める
- 文字の内容を決めて見積もりを取る
- 閉眼供養をする
- お墓もしくは石材店で追加彫刻する
- 依頼主と石材店が文字を確認する
- 開眼供養をする
新しいお墓を建立するときは、お墓が出来上がって納骨するときに開眼供養を行います。
それに対して、すでにあるお墓に追加彫刻をする際は、まず閉眼供養をして、墓石をただの石に戻してから追加彫刻をします。
そして、彫刻が終わったら再び開眼供養の儀式をするというケースが多くなっています。
追加の文字入れの相場は約3万円~5万円、墓石を石材店などに移動させて行う場合は別途搬送料が約2~3万円ほどかかります。
墓石の文字色を補修する方法
墓石の文字が汚れたり、色が薄くなっているときは、色を入れなおして補修することで、文字を彫刻当初の状態に戻せます。
文字の補修方法としては、以下の2種類があります。
- 自分で補修する
- 業者に頼む
墓石専用の補修ペンキや補修ペンを使うと、自分でもきれいに補修できます。まず歯ブラシなどで塗りなおす部分の汚れを落とし、完全に乾いた状態で色を塗っていきます。
はみ出した部分は、塗料が完全に乾いてからカッターなどで丁寧に削って取り除きます。
古い墓石の場合は、文字部分をシーラーという下地で補強してから色を入れるとよいでしょう。
自分で補修するのが不安だったり、より綺麗に仕上げたい場合は、石材店などプロの業者に依頼しましょう。
文字補修の相場は1万円~3万円程度ですが、お墓の場所や使う塗料の種類によっても値段がかわるため、見積もりを取るようにしましょう。
まとめ
墓石の文字は個人で自由に決められ、基本的に彫ってはいけない文字はありません。
墓石に彫る文字を考えるときには、一般的な文字にするのか、個性的なメッセージを彫刻するのかを含めてしっかりと検討することが大切です。
親族や石材店ともよく相談して後悔のない文字選びをし、納得できるお墓になるようにしましょう。
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