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冠婚葬祭について考える時、よく耳にする「互助会」。

ずいぶん昔からあるイメージで、親や祖父母が会員になっているご家庭も多いと思います。

会員になることで葬儀などが会員価格で利用ができる互助会ですが、怪しい噂を聞いたり、トラブルや不満を抱えている人が多いのも事実です。

今回は、互助会に関する評判や、互助会の活用方法などについて、葬儀に的を絞って解説していきます。

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互助会とは

互助会(正式名称は冠婚葬祭互助会)とは、加入者が毎月少額の積立金を払うことで、来たるべき葬儀の際にサービスを受けることができるシステムです。

加入者の積立金の半分は保全する義務があるため、法務局などに供託されています。

残りの半分で、斎場の建設、維持管理や祭壇など葬儀に必要となる備品の購入などが行われています。

近年では亡くなる前に本人や家族が「生前予約」という形で葬儀の予約をすることがあります。

互助会のシステムは生前予約のようなものですが、葬儀の形式や規模、祭壇や棺のグレードといった細部に至るまでの内容は、葬儀を執り行うことになった時点で決めることができます。

互助会に加入するということは、「その互助会の提携する斎場で葬儀をあげることを予約し、葬儀費用を毎月積み立てていく」ことです。

互助会は怪しい?

互助会について良く思っていない人たちはどのような点に不満を持っているのでしょうか?

国民生活センターには、互助会に対して以下のような相談が寄せられていました。

「冠婚葬祭互助会に、毎月3千円の80回払いで積み立てをしていたが、解約手数料を差し引いた金額しか戻らないと言われた。しかし、勧誘のときに解約手数料の説明を受けた覚えはない。」

寄せられた互助会についての相談に対して、「ひとこと助言」として以下の注意点があげられています。

「冠婚葬祭互助会とは、一定の掛け金を一定期間にわたって毎月支払い、貯まった金額を結婚式や葬儀の際のサービス費用の一部に充当して負担を軽くするための仕組みです。」

「預金と違い利息は付きません。」

「サービスを利用せずに解約する場合には解約手数料が差し引かれます。」

「積立金額より少ない金額しか返金されないので注意が必要です。」

「契約する際は、結婚式や葬儀のサービスを利用するかをよく見極めるとともに契約内容を正しく理解しましょう。」

これらのことから「互助会は怪しい」と言われる理由は「会員勧誘時に、デメリットの部分についての十分な説明が足りず、後になってだまされたと感じる加入者が多くいる」からなのです。

互助会がおすすめな人

互助会がおすすめな人
  • 互助会のある葬儀社で葬儀を行うことを決めてある人
  • 葬儀には参列者をたくさん呼んで盛大に行いたい人
  • 葬儀費用を少しでも貯めておきたい人
  • 葬儀以外の付加価値を求める人

家族や親族・知人の葬儀で利用した際とても印象が良かった、立地が良く遠方からの参列者もアクセスしやすい、などの理由であらかじめ利用する斎場を決めてある場合、互助会はおすすめできます。

また、互助会のプランには豪華な葬儀も会員価格で利用できるように設定されているため、たくさんの参列者に見送られることを希望する場合も入会する価値はあるでしょう。

その他には、経済的負担を減らすためにあらかじめ葬儀費用の一部を積み立てておきたい人にはおすすめできます。

お金を手元に置いておくと使ってしまう人にとっては、互助会に入っておけば自動的に葬儀費用を積み立てることになるので便利なシステムと言えます。

互助会の会員になることで、冠婚葬祭の儀式での優待以外にもレジャー、旅行などでお得になることもあるため、付加価値を求める人にとってもおすすめできます。

互助会をおすすめできない人

  • 家族葬など小さな規模での葬儀を望む人
  • 葬儀のプランを自分で決めたい人
  • たくさんの葬儀社の中から選びたい人

互助会のプランには高額なものが多いです。

葬儀にはあまりお金を掛けたくない、家族のみで小規模で行いたいと考えてる場合はわざわざ互助会に入る必要は無いでしょう。

互助会で用意されているプランには、「自分にとっては不要」と思う内容が含まれていることも珍しくありません。

不要だからといって、「除外してもらいその分料金を下げてもらう」ことはできませんので、自分の希望する内容で葬儀を行いたい人も互助会には入らない方が良いでしょう。

斎場については、互助会に加入していれば利用できる斎場は限られてきます。

価格、サービスなどをたくさんの葬儀社で比較検討して決めたい人にとっても互助会はおすすめできません。

互助会のメリット

互助会に入るとどのようなメリットがあるのか説明していきます。

毎月少額の積み立てで葬儀費用を準備できる

互助会の積立金は毎月1,000~5,000円ほどの間で自分で設定することができます。

毎月2,000円程度の額なら、それほど家計の負担になることなく葬儀費用の準備をすることができます。

残された遺族に葬儀費用の負担をなるべくかけたくないと考えるなら、互助会はおすすめの制度と言えるかもしれません。

満期を迎える前でも利用できる

互助会の積み立ては毎月少額で行えますが、その分、積立期間が長くなる傾向があります。

積み立ての途中で加入者が亡くなってしまっても、残りを一括で納めることで満期と同様のサービスを受けることができます。

また、満期まで積み立てたあとは、加入者が亡くなるまで互助会の様々なサービスを受ける権利が継続します。

引っ越ししても利用できる

互助会に加入していて遠方に引っ越すことになる場合もあります。

引っ越し先が加入している互助会の営業エリア内であれば、そのまま積み立てを続ければ問題ありません。

営業エリア外の場合でも、互助会は横の繋がりが強いため、提携している他の互助会を紹介してもらい、それまでの積立金を移して継続することが可能です。

斎場・施設が優待価格で利用できる

互助会に入ってできることは、冠婚葬祭の儀式の際に積立金によるサービスを受けることだけではありません。

親睦会などを行う際に、互助会の運営している斎場や施設を会員ならではの優待価格で利用することができます。

また、旅行や劇場・映画館などで割引を受けることができたりと、日常生活においてもお得に感じる機会が多数あります。

掛け捨てではない

互助会は葬儀保険のような掛け捨てではないため、解約をすれば解約手数料を差し引いた積立金が返ってきます。

互助会のデメリット

互助会のデメリット

互助会にはメリットばかりではなくデメリットもあります。

どのようなデメリットがあるのか説明していきます。

解約手数料が高い

互助会のメリットとして、掛け捨てではなく解約時には手数料が引かれて積立金が戻ってくると説明しましたが、引かれる手数料が高いことがデメリットとなっています。

互助会の規約や加入時期などによりますが、積立金の2割ほどが解約手数料として引かれてしまいます。

このことを知らずに互助会に加入する人も多く、解約する際にトラブルになることもしばしばあります。

会員価格が適正か分からない

互助会の会員のみが利用できる葬儀セットには「特別価格」とか「50%割引き」といった文字が目につきます。

会員でないと受けることのできない特典なのは間違いないのですが、そもそもの通常料金の設定は適正なのでしょうか?

同じ内容の葬儀を葬儀社と比較してみると、会員価格で利用したとしてもさほど違いがないケースが多く見られます。

利用できる斎場が限定される

互助会の会員が利用できる斎場は、互助会が直接運営している斎場か提携関係にある斎場に限られます。

自分の希望に合う合わないは別として、その中から選ぶことになりますので選択肢は少ないと言えるでしょう。

追加費用が高額になりがち

互助会の積立金だけで葬儀費用が全額まかなえることはまずありません。

総額で20万~50万円ほどを積み立てることになりますが、互助会が用意したいくつかの葬儀プランを見て、一見「すべてまかなえそう」と思うかもしれません。

ですが実際は返礼品や飲食費、お布施などはプランに入っていないため、追加費用として50万~100万円ほどかかることはよくあります。

互助会の活用方法

互助会がおすすめな人・そうでない人、互助会のメリット・デメリットについて解説してきました。

これから互助会に入ろうと思った人は次の事を意識して、互助会という制度を上手に活用しましょう。

  1. まずは自分の希望する葬儀がどういった規模・形式なのかを思い描き、そのようなプランのある互助会を選ぶ
  2. 経済的に無理のない範囲で、毎月の積立額および期間を設定する
  3. 冠婚葬祭の儀式以外に受けられるサービス・特典を逃がさず利用する
  4. 家族の誰かが加入していれば利用できるサービスであることを忘れない
  5. 手数料は引かれるが、解約により積立金を現金で受け取ることも可能

まとめ

互助会について解説してきましたが、あなたは互助会に対してどのような印象をもったでしょうか?

「互助会は怪しい」と言われることはよくあります。

互助会自体、営利目的の民間企業ですからお客さんの獲得に必死なあまり、勧誘の際に説明が不十分であったり、中にはあえてデメリットになるような部分については説明しないケースも見うけられます。

そのことが後々トラブルの原因となり、「だまされた」「怪しい」といった評判につながっているのです。

互助会に加入し、制度を上手く活用することで得をする人もたくさんいる訳ですから、「自分にとって互助会は必要なのか?不要なのか?」をしっかりと見極めることが何よりも大切です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

※調査期間:2021年1月1日~2023年12月31日
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