永代供養墓を申し込む前に用意すること

永代供養墓を申し込む前に用意すること

永代供養を申し込む前に、家族への相談は済んでいますか？家族に無断で自身の葬式やお墓について決めてしまうと、不信を生む原因になりかねません。家族への相談を含め、永代供養を申し込む前の準備も念入りに進めましょう。事前準備と十分な検討が、悔いを残さない永代供養につながります。今回は、「生前予約」「改葬」の2パターンに分けて、永代供養墓の申し込み前に必要な準備についてご説明します。

生前予約の場合

永代供養の生前予約を受け付ける寺院もあります。生前予約には、お墓に対する不安を解消できるとともに、自分の好きな方法で供養できるメリットがあります。

まずは、家族に相談を

弔い方法をどうするかは本人の意志が尊重されるべきですが、それでも家族への相談なしで決めるのはよくありません。「終活」という言葉があるように、生前から葬式の準備を進める傾向は以前と比べ高まっています。それと同時に、海洋葬や樹木葬のように自由な葬送スタイルを希望する方も今では珍しくありません。とはいえ、中には従来と異なる供養に抵抗を感じる方もいます。家族に相談もなしに寺院からお墓の種類まで決めてしまえば、後々家族との間で軋轢を生むことも。そうならないためにも、家族と十分話し合い、納得してもらったうえで生前予約の手続きをはじめてください。

お寺探し

家族の了解が得られたら、永代供養をしてくれる寺院を探します。生前予約できるお寺を選びましょう。
一口に永代供養といっても、ほかの故人と一緒に祀られる合祀墓もあれば、個別に祀られる個人墓もあります。お墓の種類だけでなく、立地条件やコストなども比較して、もっともニーズに近い寺院を選ぶとよいでしょう。管理はお寺に任せられるとはいえ、家族もお参りをするためにお墓を訪れるでしょうから、家族の意見も参考にしながら、比較検討してください。
また、永代供養墓を提供するのは寺院ばかりではありません。墓地を経営する民間業者もいます。民間業者のメリットはサービスが充実して、墓地もきれいに整備されているところ。しかし、民間業者ですので利益を重視する面は否めません。また、経営状況によっては破綻する可能性もあります。民間業者の墓地を選ぶ際は、これらの点に注意してください。

改葬の場合

改葬とは、今あるお墓を別の場所にうつす、あるいは撤去して新たな方法で供養することをいいます。永代供養への切り替えを理由に改葬される方もいます。その際、改葬するための許可証が必要です。

永代供養先をみつける

まずは、永代供養してくれる寺院を決めます。同時に、今のお墓の管理者に改葬する意志を伝えることも忘れてはいけません。
遺骨を移すには改葬許可証が必要であり、それを市区町村に発行してもらうには改葬先・改葬元両方の署名と捺印が必要です。スムーズに手続きを進めるためにも、永代供養先の候補選びと改装準備は同時に進めましょう。

改葬許可証の準備

「改葬許可証」とは、お墓を別のお墓に移す場合に必要となる書類です。お墓のある市区町村から交付を受けるには、改葬先の管理者から「受入証明書」を、改葬元の管理者から「埋葬証明書」を発行してもらいます。それぞれ必要事項を記入、かつ署名・捺印をもらい、市区町村に提出します。不備がなければ、改葬許可証の交付を受けられます。

閉眼法要の依頼

遺骨を取りだしてお墓を処分するわけですから、そのための供養が必要です。菩提寺やお墓を管理する寺院にお願いして、開眼法要を行ってください。さらに、お墓の土地を更地にするには、石材店の協力が欠かせません。改葬と開眼法要の伝達は、はやめにしないとすぐには対応してもらえないので、事前にスケジュールを立てたうえで進めていきましょう。

供養の方法によっては、改葬・分骨ができない

永代供養にはさまざまなメリットがありますが、デメリットももちろんあります。申し込みする場合は、その点を踏まえたうえでの行動が重要です。
合祀というかたちの永代供養を選ぶと、ほかの遺骨と共同で祀られるため、遺骨の取り出しや分骨、改葬が難しくなります。遺族によっては、お墓に埋葬後、分骨を望む方もいます。合祀墓の場合はその要望が応えられなくなる点に注意してください。
分骨をするのであれば、永代供養墓に祀られる前に取り分けておく必要があります。分骨をする際も証明書を発行してもらわなければなりません。手続きなしで勝手に分骨をすれば違法となるため、法律にのっとって手続きを進めることが大切です。

まとめ

選択肢が豊富で、お墓の購入費も維持費もかからない永代供養は、新しいスタイルの供養方法として認知されつつあります。生前から永代供養をしたいと強く願う方も少なからずいますが、まずは家族に相談して了承を得るというプロセスが欠かせません。永代供養の方法によっては、分骨や改葬などができない恐れもあり、それが原因で家族ともめるケースもあります。永代供養を決めたとしてもすぐに申し込むのではなく、家族とじっくり話し合う時間も大切にしてください。

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