近年は自然の中で眠れる樹木葬の人気が高まっています。その中でも特に注目されているのが「合祀される樹木葬」です。

しかし、合祀にはさまざまなメリットとデメリットがあるため、特徴をよく理解して供養方法を検討することが大切です。

この記事では、合祀される樹木葬の特徴や他の供養方法との違い、選ぶ際の注意点について詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。

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樹木葬とは

樹木葬とは、従来のお墓のような墓石ではなく、樹木や草花を墓標とした自然志向のお墓のことをいいます。

遺骨はシンボルツリーと呼ばれる樹木や草花の下に、骨壷や骨袋などに入れて埋葬します。

樹木葬には、一人に一本樹木を植えるタイプや、大きなシンボルツリーの周りに複数の遺骨を納骨するタイプなど様々な形態があり、自分の希望に合ったスタイルの樹木葬を選べることが特徴です。

また、埋葬場所としても、都市部に近いところにあり交通アクセスが良い「都市型」と、都心から離れた自然が豊かな場所にある「里山型」などがあります。

さらに、多くの樹木葬は、寺院が遺骨の管理や供養を行ってくれる「永代供養」がついています。

そのため、お墓の後継者がいない人や、お墓のことで子どもに迷惑をかけたくない人も安心して眠れます。

このように、樹木葬はさまざまなメリットがあることから、従来のお墓に変わる選択肢のひとつとして注目を集めています。

樹木葬とは？特徴や種類、費用相場、購入の流れを解説

合祀とは

合祀（ごうし）とは、文字通り「合わせて祀る」という意味があり、「他の人の遺骨と一緒に埋葬する」ことをいいます。そして、そのようなお墓のことを「合祀墓」といいます。

合祀では、従来のお墓のように個別スペースに埋葬するのではなく、複数の人の遺骨を一つの場所にまとめて埋葬し供養するため、費用が抑えられることが特徴です。

また、合祀墓ではほとんどの場合、寺院が遺骨の管理や供養を行う「永代供養」がついています。

永代供養の場合、遺族がお墓の管理や供養を行う必要がないため、お墓の後継者がいない人も無縁仏になる心配がなく安心して眠ることが可能です。

ただし、合祀されると他の人の遺骨と一緒になるため、後日遺骨を取り出すことはできません。

そのため、合祀を検討する際は家族や親族と相談しながら、慎重に決めることが大切です。

合祀（墓）とは？合葬との違いや費用、メリット・デメリットを解説

合祀と合葬の違い

合祀と似た言葉として、「合葬（がっそう）」があります。

「合祀」と「合葬」はどちらも複数の遺骨をまとめて供養する方法で、基本的に同じものを指すという認識で間違いありません。

合祀墓と永代供養墓の違い

合祀墓と永代供養墓も似ているように思われがちですが、両者の意味は全く異なります。

合祀墓とは、従来のお墓のように個別スペースに埋葬するのではなく、他の人の遺骨と一緒に同じスペースに埋葬するお墓のことをいいます。

一方、永代供養墓とは、寺院が遺骨の管理や供養を行ってくれるサービスがついたお墓のことをいいます。遺族がお墓の管理を続けられなくなっても、寺院が継続的に遺骨を管理・供養してくれることが特徴です。

そのため、永代供養というサービスが付いた合祀墓は「永代供養墓」の一種と言えます。

また、永代供養墓には個別にご遺骨を供養する種類もあります。

このように、合祀墓と永代供養墓という言葉は関係が深いものの、意味としては区別して理解することが大切です。

合祀しない永代供養墓とは？特徴やメリット・費用まで解説

合祀墓と納骨堂の違い

納骨堂とは、遺骨を安置するスペースを設けた屋内施設のことをいいます。

納骨堂はロッカー式や仏壇式、位牌式などさまざまなタイプがあり、自分に合った種類を選ぶことが可能です。また、納骨堂も永代供養がついていることが多くなっています。

合祀墓は「複数の遺骨を一つの納骨スペースにまとめて埋葬するお墓」を意味し、納骨堂は「遺骨を安置する屋内施設」という違いがあることを覚えておきましょう。

樹木葬の供養方法と費用相場

樹木葬には主に2種類の供養方法があり、それぞれの費用相場は以下のようになっています。

樹木葬の種類	費用相場
合祀墓タイプ	約5万円～30万円
個別墓タイプ（1人・家族）	約50万円～150万円

それぞれの種類について、詳しく解説します。

合祀墓タイプ

樹木葬の合祀墓タイプは、複数の人の遺骨を共用のシンボルツリーの元などにまとめて埋葬するお墓のことをいいます。

個別ではなく共用スペースに埋葬するため、費用が比較的安いことが特徴で、相場は約5万円～30万円ほどです。

また、寺院に遺骨の管理や供養を任せられる「永代供養」となっている場合が多いため、お墓の後継ぎがいない人や、子どもに迷惑をかけたくない人に選ばれています。

ただし、合祀する樹木葬は他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、後日遺骨を取り出したり、別の場所に移動させることはできません。

個別の墓標がない場合も多いため、契約する際はどのように供養されるのか事前に確認するようにしましょう。

個別墓タイプ

個別墓タイプとは、個別の区画に1人もしくは家族単位で埋葬する樹木葬のことをいいます。費用相場はおおよそ約50万円～150万円ほどです。

従来のお墓のように個別区画に埋葬されて他の人の遺骨と一緒にならないことから、後日遺骨を取り出したり、改葬することも可能です。

ただし個別墓タイプでは、一定期間が経った後に合祀されるものと、永代にわたって個別区画に埋葬されるものがあります。

個別墓タイプを契約する際は、個別供養期間について事前に確認するようにしましょう。

樹木葬の費用相場はいくら？内訳や種類ごとの費用を紹介

樹木葬で合祀するメリット

樹木葬で合祀する場合、大きく分けて3つのメリットがあります。それぞれ詳しく解説します。

費用を抑えられる

樹木葬で合祀する場合、墓石や個別の区画を必要としないため、従来のお墓に比べて費用を大幅に抑えることが可能です。

また、合祀型の樹木葬は永代供養がついていることが多くなっていますが、永代供養料も比較的安く設定されているため、経済的な負担を抑えられます。

このように、樹木葬の合祀墓タイプは経済的な負担を減らしつつ、安心して眠れる点がメリットとなっています。

一人ではないという安心感がある

樹木葬で合祀する場合は他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、孤独感が少なく安心感を得られます。

一人で眠ることに対する不安を軽減しつつ、自然の中で静かに眠れることが合祀のメリットといえます。

宗旨・宗派を問わない

こちらは合祀墓タイプに限りませんが、樹木葬は、宗旨・宗派を問わず誰でも利用しやすいことが特徴です。

また、仏教だけでなくキリスト教や神道、無宗教の人でも申し込みができるケースが多いため、樹木葬は現代の多様な考え方に合った供養方法とも言えます。

樹木葬で合祀するデメリット

樹木葬で合祀する際のデメリットについて、詳しく解説します。

遺骨を取り出せない

樹木葬の合祀墓タイプでは、他の人の遺骨と一緒に埋葬するため、後日遺骨を取り出すことはできません。

将来改葬を考えている人や、個別に供養したいと考えている人は、合祀墓タイプではない供養方法を選ぶ必要があります。

個別供養ができない

樹木葬で合祀する場合、複数の遺骨をひとつの区画やスペースにまとめて埋葬するため、個別供養ができないという特徴があります。

また、個別のプレートを設置できないことも多く、手を合わせる個別の対象がないため供養の実感を得られないことがあります。

個別や家族単位で祈りや供養の場を持ちたい人は、合祀墓タイプは不向きと言えるでしょう。

親族の理解を得られないことがある

合祀という供養方法は、個別で供養する従来のお墓とは異なる個別供養のため、親族の理解を得られずトラブルにつながる可能性があります。

そのため、合祀を検討する際は事前に親族に説明し、合意を得ることが大切です。

話し合いを行う際は、費用を抑えられることや自然の中で眠れること、遺骨の管理や供養を任せられて安心できることなど、メリットを丁寧に伝えるようにしましょう。

樹木葬での合祀がおすすめの人

樹木葬での合祀がおすすめの人の特徴は、以下のとおりです。

• お墓を継ぐ人がいない人
• 子どもや家族に負担をかけたくない人
• お墓の費用を抑えたい人
• 合祀に抵抗感がない人

上記に該当する人は、合祀タイプの樹木葬を選ぶと良いでしょう。

ただし、従来日本では個別スペースに埋葬するお墓が主流のため、他の人の遺骨と一緒に埋葬される「合祀」に抵抗感がある人もいます。

そのような場合は、個別スペースに埋葬される「個別墓タイプ（1人・家族）」を検討すると良いでしょう。

また、個別墓タイプには、「長期に渡って個別スぺ－スに埋葬されるタイプ」と「一定期間後に合祀されるタイプ」があるため、契約前にしっかり確認するようにしましょう。

エータイでは、永代に渡って個別供養される樹木葬も数多くご紹介しています。

もし現在お墓選びをご検討されていたり、お墓についてお悩みでありましたら、エータイがご紹介する寺院をおまとめした資料を参考にしてみてください。

樹木葬で合祀する際のよくある質問

樹木葬で合祀する際のよくある質問について紹介します。

合祀タイプの樹木葬が選ばれている理由は？

樹木葬で合祀墓タイプが選ばれる理由として、費用を安く抑えられること、寺院に遺骨の管理や供養を任せられることが挙げられます。

お墓に関する精神的・経済的な負担を抑えつつ自然の中で眠れることが、合祀墓タイプの樹木葬が選ばれる理由となっています。

樹木葬で合祀した後に遺骨を取り出すことはできますか？

合祀する樹木葬では他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため、埋葬後に遺骨を取り出すことはできません。

将来的に遺骨を他のお墓に移したい場合は、個別スペースに埋葬される供養方法を選ぶようにしましょう。

樹木葬で合祀した場合お墓参りはできますか？

樹木葬で合祀した場合も、お墓参りは可能です。ただし、個別の墓石や区画がないため、シンボルツリーや記念碑などに向かって手を合わせることになります。

施設によっては名前を彫刻したプレートを設置できる場合もありますので、契約前に確認すると良いでしょう。

合祀タイプの樹木葬でもきちんと供養してもらえますか？

多くの施設では春や秋のお彼岸、お盆などの節目に合同法要を行っており、合祀されたすべての人を丁寧に供養しているため安心できます。

合同法要に参加できるケースも多くなっていますので、事前に問い合わせると良いでしょう。

まとめ

樹木葬で合祀する場合、他の人の遺骨と一緒に埋葬されるため後日遺骨を取り出せないものの、経済的な負担を抑えながら寺院にきちんと供養してもらえるという安心感があります。

合祀される樹木葬においても、合同供養や法要が定期的に開催されて丁寧な供養が行われているため安心です。

樹木葬には個別に供養される「個別墓タイプ」もあるため、自分に合った供養方法を選ぶようにしましょう。