火葬後すぐに納骨は可能？必要な準備や手順、主な納骨タイミング

お通夜と葬儀を終えて火葬した後は、後日納骨することが一般的です。しかし、さまざまな事情から火葬後すぐに納骨したいと考える人もいるでしょう。

この記事では、火葬後すぐに納骨することはできるのか、火葬当日に納骨する場合のメリット・デメリット、手順や事前準備について解説します。一般的な納骨タイミングについても紹介するので、ぜひ参考にしてください。

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火葬後すぐに納骨することは可能？

火葬後すぐに納骨することは、一般的ではないものの「可能」です。

そもそも、納骨時期については法律上の決まりはありません。

そのため、祭祀承継者や親族などの話し合いのもと、火葬後すぐに納骨しても問題ないのです。

ただし、地域の慣習や宗旨・宗派によっては、火葬から納骨まで一定期間空けることが望ましいとされている場合もあります。

特に菩提寺がある人は、ご住職に相談して問題がないか確認することが大切です。

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火葬後すぐに納骨するのはどんな時？

火葬後すぐに納骨するケースでは、何らかの事情がある場合が多くなっています。それぞれくわしくみていきましょう。

遺骨を家に置けない場合

賃貸住宅やマンションなどでは、遺骨を安置できるスペースがない場合があります。

また、「遺骨が家にあると落ち着かない」というような理由から、早めに納骨したいと考える場合もあります。

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親族が集まりにくい場合

遠方に住んでいる親族が多い場合、改めて納骨のために集まることは簡単ではありません。

親族が改めて集まる場合、交通費や宿泊費の負担も大きくなります。また、高齢の親族がいる場合は、移動が負担になることもあります。

このような事情がある場合、親族の負担を軽減するために火葬後すぐに納骨することもあります。

火葬後すぐに納骨する場合のメリット

続いて、火葬後すぐに納骨する場合のメリットを紹介していきましょう。

遺族の精神的な負担を減らせる

火葬後すぐに納骨する場合は、「どのタイミングで納骨すべきか」「誰に立ち会ってもらうか」など、遺骨について悩むことがなくなります。

火葬後すぐに納骨することで、遺族の気持ちを整理しやすくなるというメリットがあります。

親族のスケジュール調整が不要になる

火葬後すぐに納骨することで、後日あらためて親族が集まる手間が省けます。

特に、遠方の親族は時間的・金銭的な負担を抑えられるというメリットがあります。

火葬後すぐに納骨する場合のデメリット

一方で、火葬後すぐに納骨することのデメリットもあります。

心の整理がつかない場合がある

火葬後すぐに納骨する場合、故人との別れを実感する時間が十分に取れないため、いつまでも心の整理がつかないことがあります。

家族や親族によっては「まだ遺骨を手元に置いておきたい。納骨したくない」と考える場合もあります。

火葬後すぐに納骨するかどうかは、親族と話し合って慎重に決めるようにしましょう。

地域や宗旨・宗派によっては制約がある

多くの宗派では、四十九日をひとつの区切りとして考え、四十九日法要の際に納骨することが一般的です。

そのため、火葬後すぐに納骨することに関して、宗旨・宗派によっては歓迎されない場合があります。

特に、菩提寺がある人はご住職の考えをうかがってから決めるようにしましょう。

納骨にふさわしいタイミングの目安とは

納骨の時期は基本的には自由ですが、納骨にふさわしいタイミングはあるのでしょうか。ここでは、火葬後すぐのタイミング以外の、よくある納骨時期について詳しく解説します。

四十九日の法要後に納骨する

四十九日は仏教において重要な節目のため、四十九日法要の後に納骨する場合が多くなっています。

ただし、納骨するお墓が出来上がっていない場合は、四十九日に納骨できないことがあります。

一般的なお墓の場合、墓石建立まで時間がかかりますが、永代供養墓や樹木葬・納骨堂では、契約手続きをすればすぐに納骨が可能です。

火葬後すぐに納骨を考えていて、お墓がまだ用意できていないという人は、永代供養墓や樹木葬など、新しい供養方法を検討しても良いでしょう。

永代供養については、以下の記事で詳しく解説しています。

永代供養とは？主な種類や費用、選ぶ際の注意点をわかりやすく解説

百箇日法要のときに納骨する

百箇日法要とは、残された家族が悲しみから卒業し、普段の生活に戻ろうという日です。

四十九日を過ぎた後ももう少し遺骨を手元に置いておきたい場合、納骨のタイミングとして百箇日法要が選ばれることがあります。

新盆のときに納骨する

新盆（もしくは初盆）とは、故人が亡くなって初めて迎えるお盆のことをいいます。

通常のお盆よりも特別な意味を持つため、親族や関係者が集まるケースも多くなっており、このタイミングで納骨する場合もあります。

お墓が用意できたら納骨する

節目の時期ではなく、お墓の用意ができたら納骨するという場合もあります。

一般的なお墓が出来上がるまでには数か月ほどかかります。早く納骨したい場合は、お墓を購入後すぐに納骨できる永代供養墓や樹木葬も検討しましょう。

永代供養のお墓を検討されている方は、こちらの資料で実際のお墓の写真や詳しい料金をご覧いただけますので、ぜひダウンロードください。

一周忌に納骨する

気持ちの整理がつかず遺骨を手放したくないと考える場合、一周忌の法要と合わせて納骨することがあります。

約1年遺骨を手元に置いておくことで、気持ちの整理がつく場合もあります。

また、一周忌は喪が明けるタイミングでもあるため、納骨に適した時期といえます。

三回忌に納骨する

三回忌とは、故人が亡くなってから2年目の命日のことをいいます。

遺骨をできるだけ長く手元に置いておきたい人、お墓をじっくりと検討したい人は、この三回忌を目安に納骨すると良いでしょう。

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火葬後すぐに納骨するための準備

火葬後すぐに納骨する場合、葬儀や火葬・納骨をすべて1日で終わらせることになるため、事前にしっかりと準備しておくことが重要です。

ここでは、火葬後すぐに納骨するために行うべき準備について、詳しく解説します。

親族に火葬後すぐに納骨することを伝える

まずは家族や親族と相談し、火葬後の納骨を検討していることを伝えましょう。親族の意見が分かれた場合は、しっかり話し合って同意を得ることが大切です。

納骨するためのお墓を準備する

すでにお墓がある場合は、墓地の管理者に納骨する日時を伝え、納骨できるかどうか確認しましょう。

永代供養墓や樹木葬を購入する場合は、契約手続きを事前に行い、受入証明書を取得しておきましょう。

納骨先や石材店に事前連絡する

火葬後すぐに納骨することが決まったら、納骨先や石材店に事前連絡しましょう。

納骨する際は、石材店にカロートの開閉をお願いする必要があります。石材店に早めに依頼し、日時を確保してもらうようにしましょう。

葬儀や火葬の時間を調整する

火葬後すぐに納骨する場合、1日中タイトなスケジュールになります。火葬場からお墓までの距離を考慮し、余裕を持ったスケジュールにすることが大切です。

火葬後すぐに納骨したい場合は、火葬の時間を午前中にしてもらえると安心です。

特に冬場は日没が早いため、明るいうちに納骨できるようなスケジュールを組むようにしましょう。

納骨式後の会食について検討・手配する

納骨後、参列者と会食する場合は、あらかじめ食事場所を検討し、予約しておきましょう。

納骨式後の会食は、故人をしのび参列者への感謝を伝えるための場です。必ず行う必要はありませんが、一般的には会食が行われることが多くなっています。

ただ、火葬後すぐに納骨する場合、全体の終了時間が遅くなってしまうため、会食なしで解散することもあります。

会食の有無に関わらず、参列者に渡すための返礼品を用意しましょう。

納骨式に必要なものを準備する

火葬後すぐに納骨する場合は、必要なものを事前に準備しましょう。

埋葬許可証（納骨許可証）は、火葬後に発行されます。

納骨式に必要なものは、以下のとおりです。

• お墓の受入証明書
• お供えもの
• 供花
• お線香
• ろうそく
• 数珠

この他に、ご住職へのお布施も用意しましょう。

納骨式のお布施の金額相場は、3万円～5万円です。別途お車代（5,000円～1万円）が必要な場合もあります。

当日の納骨式の流れを把握する

当日の納骨式の流れをしっかり把握しておきましょう。

火葬後すぐに納骨する場合は、葬儀から納骨までを1日で行うため、スケジュールが非常にタイトになります。

スムーズに火葬当日に納骨するためにも、葬儀から火葬、納骨までの手順や流れをしっかりと理解しておくことが大切です。

火葬後すぐに納骨する際の手順や流れ

火葬後すぐに納骨する場合も、以下の通り一般的な納骨式と同じ流れで式を進めます。

1. 墓前に集合する
2. 施主が挨拶する
3. 石材店が墓石の納骨スペースを開く
4. ご住職による読経
5. 遺骨を納骨する
6. 参列者が順番に焼香する
7. 会食する

1.墓前に集合する

納骨式では、参列者が事前に指定された時間に墓前に集合します。火葬場から直接向かう場合は、遅れないように余裕を持ったスケジュールを組みましょう。

2.施主が挨拶する

参列者がそろいご住職が到着したタイミングで、まず施主（喪主）が挨拶し、参列者への感謝を伝えます。

挨拶の後「これよりご住職に読経をお願いし、納骨を進めてまいります」という一言を添えると納骨式がスムーズに進行します。

3.石材店が墓石の納骨スペースを開く

石材店のスタッフが、墓石の下にある納骨スペース（カロート）を開きます。

カロートの開閉は自分達で行うケースもありますが、一般墓の場合は石材店に依頼するのが一般的です。必要に応じて、納骨室の清掃を行うこともあります。

施主や親族は、この作業の間に納骨の準備を整えます。

4.ご住職による読経

ご住職に読経してもらい、故人の冥福を祈ります。宗旨や宗派によって異なるものの、読経の時間はおよそ15分～30分が一般的です。

施主や親族をはじめとする参列者は、合掌しながら読経を聞きましょう。

5.遺骨を納骨する

ご住職の読経が終わったら、遺骨を納骨スペースに納めます。施主や家族が中心となって、丁寧に遺骨を安置しましょう。

遺骨を安置した後は、石材店のスタッフが墓石を元の状態に戻します。

6.参列者が順番に焼香する

納骨が終わったら、参列者が順番に墓前で焼香を行い、故人の冥福を祈ります。

まず施主が焼香した後、故人と血縁関係の近い順に焼香します。

7.会食する

納骨式が終わったら、親族や参列者と会食することが一般的です。

ただし火葬後すぐに納骨する場合は、遅い時間になってしまうこともあるため、会食しないこともあります。

会食がない場合も、参列者への感謝をしっかり伝えるようにしましょう。

納骨にかかる費用

納骨にかかる費用としては、以下のとおりです。

費用の内訳	金額相場
お布施	3万円～5万円
お車代	5,000円～1万円
石材店への依頼	5,000円～1万5,000円
墓石の彫刻料	3万円～5万円
卒塔婆を建てる費用	1基につき2,000円～1万円
会食費用	1人あたり3,000円～1万円
引き出物（用意する場合）	1人あたり2,000円～5,000円

一般的なお墓で、墓石へ戒名などを彫刻する場合は、彫刻料として3万円～5万円必要です。

納骨の費用に関して、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

納骨費用の相場や内訳は？納骨費用を抑えるためのポイントも解説

火葬後すぐに納骨する際の注意点

火葬後すぐに納骨する場合は、時間管理や関係者との調整などの事前準備が重要です。

葬儀から火葬、納骨までスムーズに進まない場合、火葬当日に納骨できないこともあるため、注意が必要です。

ここでは、火葬後すぐに納骨するために行うべきことについて解説します。

当日のスケジュール管理を綿密に行う

火葬後すぐに納骨する場合、火葬場から納骨先までの移動時間や納骨式にかかる時間を考慮して、事前にスケジュールを細かく決めておくことが大切です。

火葬は1～2時間かかると考えておきましょう。また、火葬場からお墓までスムーズに移動できるように、マイクロバスやタクシーなどを手配することもあります。

火葬後すぐに納骨すると決めたら、葬儀会社にその旨を伝えて葬儀と火葬の時間を調整してもらいましょう。火葬場の予約は葬儀会社が行ってくれます。

また、石材店にカロートの開閉を依頼する場合は、石材店にも連絡しておきましょう。

ご住職の予定を確認する

納骨式でご住職に読経をお願いする場合は、ご住職の予定を確認して事前に打合せをしておきましょう。

火葬後すぐに納骨する場合、納骨式ができる時間がどうしても限られてしまいます。そのため、ご住職に早めに連絡し、予定を確保してもらうことが重要です。

特に、お盆や年末年始などの繁忙期は希望時間に来てもらえないこともあります。早めに連絡を取り、スケジュールを確認してもらうようにしましょう。

ご住職へのお布施は最初にお渡しする

納骨式でお布施をお渡しするタイミングは「納骨式前」が基本とされています。

ご住職がお墓に到着したら、「本日はよろしくお願いいたします」と挨拶しながらお布施をお渡ししましょう。

お布施は袱紗に包んで持参し、両手で丁寧にお渡しします。

表書きは「お布施」とし、水引のない白い封筒を使用するのが一般的です。お車代などを渡す場合は、別の封筒に入れてお渡しするようにしましょう。

冬は日没の時間に注意する

冬は日没時間が早いため、納骨式の時間に注意が必要です。特に、夕方は思っていたよりも早く日が落ちる場合もあるため、16時以降の納骨は避けるようにしましょう。

明るいうちに納骨式を終わらせることで、参列者も安全に移動できます。また、高齢者が参列する場合は、椅子やブランケットを用意すると良いでしょう。

まとめ

火葬後すぐに納骨することも可能ですが、葬儀や火葬・納骨を1日で行うため、スケジュール管理や事前準備をきちんと行うことが大切です。

火葬後すぐに納骨することは、親族が集まりやすく、時間的・金銭的な負担を減らせるというメリットがありますが、気持ちの整理がつきにくくなるというデメリットもあります。

火葬後すぐに納骨するかどうかは、家族や親族と話し合って慎重に決めるようにしましょう。

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