寺院墓地とは？霊園との違いや寺に墓を建てるメリット・デメリット、費用相場

お寺にあるお墓、つまり「寺院墓地」は、仏教や格式、安心感を重視する人に人気が高い墓地です。

お寺のお墓であれば常にお寺が見守ってくれるため、安心して眠れるという人も多いでしょう。

このように、寺院墓地はお寺が管理・運営するため手厚い供養を受けられますが、一般の霊園と異なる特徴やルールがあるため、事前に理解しておくことが大切です。

この記事では、寺院墓地の特徴や霊園との違い、メリットデメリット、費用相場など詳しく解説しますので、お墓選びの参考にしてください。

エータイでは、全国80以上の厳選寺院と提携し、累計3万組以上のお客様に年間管理費不要の永代供養墓・樹木葬をご紹介しております。まずは永代供養墓の特徴を知りたい、写真や料金を見てみたいという方は、こちらをご覧ください。

寺の墓（寺院墓地）とは？

寺の墓（寺院墓地）とは、寺院が管理・運営している墓地のことを指します。

寺院墓地は、都市部・地方を問わず多くの寺院に併設されており、代々受け継がれることが一般的です。

一般的に、お寺のお墓を利用する場合はその寺の檀家となる必要があります。

檀家になるには入檀料や護持会費などの費用がかかりますが、そのかわりに、定期的な法要や供養を優先的に受けられるというメリットがあります。

一方で、近年は少子化でお墓の継承者がおらず、代々お墓を引き継げない人も増えています。また、供養をお寺に任せて安心したいという人も多くなっています。

このようなニーズの高まりから、「永代供養墓」や「樹木葬」など、お墓の継承者が不要な新しいタイプの埋葬方法を取り入れる寺院墓地も増えています。

永代供養墓や樹木葬を利用する際は、檀家にならなくてもお寺のお墓を利用できる例が多くなっています。

永代供養とは？主な種類や費用、選ぶ際の注意点をわかりやすく解説

寺院墓地と霊園の違い

寺院墓地と霊園は、どちらも墓地ではありますが、運営主体や管理体制、宗教的な制約などに違いがあります。

ここでは、寺院墓地（一般墓の場合）と霊園の違いについて、詳しく解説します。

先述の通り、永代供養墓や樹木葬の場合は、寺院墓地でも宗旨宗派不問で檀家義務がない場合が多いことはご留意ください。

寺院墓地と民営霊園の違い

民営霊園とは、宗教法人や財団法人・社団法人、またはそこから委託を受けた民間企業によって管理・運営されている墓地のことをいいます。

寺院墓地（一般墓の場合）と民営霊園の主な違いは、以下のとおりです。

	寺院墓地	民営霊園
管理者	寺院	財団法人・社団法人・宗教法人または委託を受けた民間企業
宗旨・宗派の違い	主に特定の宗派の人が利用する	宗旨・宗派を問わない
利用条件	基本的に檀家になることが必要	誰でも利用できる
費用	檀家料やお布施が必要	基本的には年間管理費のみ

民間霊園では、施設ごとに大きく特徴が異なります。

一般的なお墓とは異なった明るい雰囲気の霊園も多く、墓石のデザインの選択肢も広くなっているため、自分の希望に合った民営霊園を選ぶことが可能です。

ただし、民営霊園は自由度が高い反面、年忌法要などの際は自分で僧侶を手配する必要があります。

寺院墓地と公営墓地の違い

公営墓地（公営霊園）とは、都道府県や市区町村などの自治体が管理・運営する墓地のことをいいます。

寺院墓地（一般墓の場合）と公営墓地の主な違いは、以下のとおりです。

	寺院墓地	公営墓地
管理者	寺院	自治体
宗旨・宗派の違い	主に特定の宗派の人が利用する	宗旨・宗派を問わない
利用条件	基本的に檀家になることが必要	自治体の住民であれば誰でも申し込みできる
費用	檀家料やお布施が必要	基本的には年間管理費のみ

公営墓地は、他の種類の墓地に比べると費用が安い傾向があるため、人気が高く抽選になることもあります。

そのため、自分の希望するタイミングで利用できない場合があるため注意が必要です。

また、公営墓地は、「その地域の住民しか申し込めない」というような利用条件が設けられていることもあります。

自治体によって条件は異なるため、事前に情報収集するようにしましょう。

寺院墓地のメリット

寺院墓地には、さまざまなメリットがありますので詳しく紹介します。

手厚い供養を優先的に受けられる

寺院墓地の最大のメリットは、お寺やご住職による手厚い供養を受けられることです。

お墓の開眼供養（魂入れ）や年忌法要、お盆やお彼岸の供養など、希望するタイミングでご住職に手厚い供養を行ってもらえます。

民営霊園や公営墓地では自分で僧侶を手配する必要がありますが、寺院墓地ではその手間がかからないのも大きなメリットといえます。

お墓が寺院内にあるため安心感がある

寺院墓地はお寺の境内や隣接地にあることが多く、日々の管理が行き届いている点もメリットです。

特に以下の点で安心感があります。

• 盗難やいたずらなどのリスクが少ない
• 日常的に清掃され、お墓が荒れにくい
• ご住職やお寺のスタッフが定期的に見回ってくれる

また、お墓がお寺の本堂の近くにあることで親族が集まりやすく、法事をスムーズに行える点も魅力となっています。

ご住職に相談しやすい

寺院墓地を利用しているとご住職との結びつきも強くなるため、仏事や供養に関する相談がしやすいというメリットがあります。

例えば、以下のような場合が考えられます。

• 法事や供養の段取りについてアドバイスをもらえる
• 家族が亡くなった際の葬儀や納骨の相談ができる
• 仏壇の選び方や、お墓の維持管理について教えてもらえる

このように、仏事全般について専門的なサポートを受けられることがメリットです。

信仰心が深い人や、伝統的な供養を重視する人にとっては非常に心強く、安心できます。

寺院墓地のデメリット

寺院墓地には多くのメリットがありますが、いくつかのデメリットもありますので紹介します。

檀家になる必要がある

多くの寺院墓地では、一般墓を利用する場合は檀家になる必要があります。

檀家とは、その寺院を支える会員のようなものをいいます。檀家になる際は入檀料が必要で、平均相場は10万円～30万円程度です。

お布施や年会費の支払いの他、法要や行事への参加が求められることもあります。

このように、檀家になると様々な金銭的な負担が増えることがデメリットといえます。

一方で、永代供養墓や樹木葬を利用する場合は、檀家にならなくてもよい場合が多くなっています。

費用負担が大きい

寺院墓地を利用するために檀家になった場合、多くの場合護持会費や年間管理費が必要です。また、寺院改修の際などには寄付が必要になる場合もあります。

このように、寺院墓地は、他の墓地と比べて費用負担が大きくなりやすいというデメリットがあります。

一方で、檀家にならずにお寺のお墓を利用できる場合は、費用が安く抑えられるケースが多くなっています。

宗旨・宗派の制約がある

寺院墓地は特定の宗旨・宗派に属している場合が多く、異なる宗派の人は利用できないことがあります。

例えば、浄土真宗の寺院墓地では、浄土真宗の教えに沿った供養が行われるため、他の宗派の供養方法が認められないこともあります。

一方で、永代供養墓や樹木葬の場合は、宗旨・宗派が不問の場合が多くなっています。

永代供養をお寺でおこなうには？費用や選ぶときの注意点

寺院墓地の費用相場

寺院墓地の費用は、それぞれの寺院や地域によって大きく異なります。

一般的な寺院墓地の費用の内訳と費用相場は、以下のとおりです。

費用の種類	費用相場
永代使用料	約30万円～200万円
管理料	年間1万円～2万円
墓石代	約50万円～200万円
入檀料	約10万円～30万円
護持会費	年間5千円～2万円
お布施（年忌法要）	約3万円～10万円

永代使用料

永代使用料とは、お寺のお墓の使用権を得るための費用です。

寺院墓地における永代使用料の費用相場は、約30万円～200万円です。都市部の有名な寺院では高額になることが多く、逆に地方では比較的安価な傾向があります。

永代使用料は最初に一括で支払う場合がほとんどで、立地条件や寺院の設備状態、選ぶ区画の広さなどによっても異なります。

管理料

管理料は、墓地の維持管理に必要な費用です。具体的な内訳は、墓地や施設の清掃費や備品の修理・交換の費用、水道や光熱費などです。

寺院墓地の管理費の相場は、年間1万円～2万円となっています。

この費用は毎年継続的にかかる費用のため、長期的な負担を念頭に置いておく必要があります。

ただし、永代供養墓や樹木葬の場合は、管理費を最初に一括で支払うため、継続的に支払う年間の管理料が不要な場合が多くなっています。

墓石代

墓石代は、お墓の建立にかかる費用です。墓石代の費用相場は約50万円～150万円ですが、選ぶ墓石の種類やデザイン、使用量などによって価格は大きく変わります。

また、石材店によっても価格が変わるので、複数の石材店から見積もりを取って比較することが大切です。

ただし、寺院墓地では、指定の石材店を利用しなければならない場合もあるため、事前に確認するようにしましょう。

入檀料

入檀料とは、檀家になる時に寺院に納める費用で、費用相場は約10万円～30万円です。

檀家になる際に、最初に一括で納める費用です。

護持会費

護持会費は、お寺の運営を支えるために、檀家が納める会費のことをいいます。

護持会費の費用相場は年間5千円～2万円です。

護持会費はお寺の施設維持や修繕、僧侶の活動を支援するための資金として使われますが、お寺によっては、お墓の管理費を護持会費と呼ぶこともあります。

お布施（年忌法要）

お布施とは、法要の際に僧侶にお渡しするためのお金で、お礼や感謝の気持ちをあらわすことが目的です。

一般的な費用相場は、回忌法要1回あたり約3万円～10万円となっています。

檀家制度とは

そもそも、檀家制度とはどのようなものなのか、詳しく解説します。

檀家とは

檀家とは、法要の依頼や寄付などの経済的な支援を通じて、お寺の運営を支える人々のことを指します。

檀家になると、僧侶による手厚い供養を受けられます。また、お寺の行事に参加する機会も増えるため、仏教と深くつながっているという実感を得られます。

檀家になる手続きと流れ

檀家になるためには、正式な手続きを行う必要があります。

お寺によって細かな手順は異なりますが、一般的な手続きと流れは以下のとおりです。

• 檀家になる寺院を選ぶ
• お寺に連絡して相談・面談する
• 檀家加入の申し込みをする
• 檀家の活動をする

まずは、どのお寺の檀家になるかを決めます。自宅からの距離やアクセスが良いか、宗旨・宗派の方針が自分の考えと合っているかを確認しましょう。

希望するお寺が決まったら、直接お寺に連絡してご住職と面談を行います。

ここで、檀家としての役割や護持会費の金額、入檀料、年忌法要などの説明を受けます。行事への参加義務の有無なども確認しましょう。

墓地を利用する場合は、利用条件なども合わせて確認します。

ご住職との相談で問題がなければ、正式に檀家加入の申し込みを行います。誓約書や入檀申込書の提出・入檀料や護持会費などの支払いを行います。

手続きが完了すると、檀家として法要を依頼したり、寺院墓地を利用できるようになります。また、寺院行事にも参加し、仏事を一緒に行っていくことになります。

ただし、近年は寺院墓地を利用する際に、檀家にならなくても良い場合も増えています。

寺院墓地を利用することが主な目的の場合は、まずは入檀が必要かどうかを寺院に確認しましょう。

檀家をやめる手続きと流れ

檀家をやめる際も、正式な手続きが必要です。一般的な離檀の手続きや流れは、以下のとおりです。

• ご住職に相談する
• 離檀料を確認する
• 書面を提出し、離檀を申請する
• 離檀料を支払い、寺院の承認を経て完了

檀家をやめたい場合は、まずはご住職に相談します。

相談する際は、このような事情があって檀家を続けることが難しく悩んでいる、というかたちで伝えましょう。

今まで仏事を行ってくれたご住職に敬意を込めて、まずは相談するというかたちでお話することが大切です。

よく考えたうえで檀家を辞めることを決めたら、ご住職に改めて離檀したい旨を伝えます。この時に離檀料についても確認します。

離檀のための書類を記入して寺院に提出し、離檀料もお渡しします。

お寺側の承認を得たら、手続きが完了します。

トラブルなく檀家をやめるには？費用・手順・礼儀などポイントを紹介

寺院墓地の選び方

寺院墓地を選ぶ際に、いくつか確認すべきポイントがありますので紹介します。

宗旨や宗派を確認する

寺院墓地は、それぞれ特定の宗派に属している場合が多くなっています。寺院墓地を選ぶ場合は、まずは自分や家族の宗派と一致するかを確認しましょう。

永代供養墓や樹木葬は異なる宗旨宗派の人でも利用できる場合が多いですが、供養の方法が異なる場合も多いため、事前に確認しておきましょう。

檀家になるための費用を確認する

檀家になるためには、ほとんどの場合、入檀料が必要です。また、護持会費は毎年納める必要があり、寺院改修などの際は寄付をしなければならないこともあります。

特に、護持会費は毎年継続してかかる費用のため、長期的な負担を考慮して決めることが大切です。

永代供養墓や樹木葬は、檀家義務がない場合が多いです。

寺院の歴史や経営状況を確認する

寺院墓地を選ぶ際は、寺院の歴史や経済状況を確認しましょう。

歴史を知ることで寺院により親しみがわきますし、経営が安定している寺院を選ぶことで、安心して供養を任せることができます。

お寺の経営状態について判断するには、以下のようなポイントを確認しましょう。

• 納骨堂や永代供養墓の運営など、収益向上のための新しい取り組みをしているか
• お祭りなどのイベントを開催し、地域の人と交流が盛んであるか
• お寺を観光や地域交流の場として活用しているか

お寺の経営を安定させるために新しい取り組みをしている場合は、今後も経営が安定していくと判断できます。

また、お祭りやイベントなどの開催の有無は、地域の人との結びつきが強いかどうかの判断材料になります。

寺院墓地の契約方法と手順

お寺の墓を契約する場合の、一般的な手順について解説します。

墓地を見学する

利用したい寺院墓地が見つかったら、まずは実際に墓地を見学し、立地や環境・交通利便性などを確認しましょう。また、墓地の管理がきちんと行き届いているかもチェックすると良いでしょう。

檀家になる条件を確認する（檀家義務がある場合）

寺院墓地を契約する場合、檀家にならなければならないケースもあります。

檀家の費用や義務について確認し、納得したうえで進めるようにしましょう。

寺院墓地と契約する

寺院墓地を契約することに決めたら、寺院と契約を取り交わします。

契約の際は、費用や契約条件、管理方法、護持会費や年間管理費の有無などを確認しましょう。

また、墓石を建立する際、石材店が指定されているかどうかも確認するようにしましょう。

入金する

契約書を取り交わしたら、所定の費用を支払います。

一般的には、寺院墓地の費用には「墓地の永代使用料」や「管理費」が含まれます。また、檀家になる場合は、入檀料も納めます。

入金が終わったら、寺院墓地を利用できるようになります。

寺院墓地でよくある質問

寺院墓地について、よくある質問と回答を紹介します。

寺院墓地を管理するのは誰ですか？

お寺のお墓の管理は、基本的に寺院が行います。管理内容としては、境内の清掃や法要の手配、供養の実施などが含まれます。

檀家にならずに寺院墓地を利用できますか？

寺院によっては、檀家にならなくても墓地を利用できる場合があります。

まずは寺院に確認すると良いでしょう。

寺院墓地の維持費はどれくらいですか

寺院墓地の維持費（年間管理費）は、寺院によって異なりますが、年間数千円から数万円程度です。

永代供養墓や樹木葬の場合は、年間管理費が不要なこともあるため、寺院に確認しましょう。

宗派が異なる場合でも利用できますか？

寺院によって対応はそれぞれですが、宗旨・宗派を問わず受け入れている寺院もあります。特に、永代供養墓や樹木葬は宗旨・宗派が不問の寺院も多いため、まずは受入条件を確認すると良いでしょう。

まとめ

寺の墓（寺院墓地）を選ぶ際は、檀家制度の仕組みや契約の流れを理解し、自分に合った墓地を見つけることが大切です。

宗旨・宗派や費用、入檀の有無、寺院の経営状況などをよく確認し、納得した上で契約を進めるようにしましょう。

寺院墓地内の永代供養墓や樹木葬の場合は、入檀の必要がなく、宗旨・宗派が不問で年間管理費もかからない場合が多くなっています。

お墓を選ぶ際は、長期的な維持費や檀家の費用や義務のことも考え、慎重に選ぶようにしましょう。

エータイでは、全国80以上の厳選寺院と提携し、累計3万組以上のお客様に年間管理費不要・宗旨宗派不問・檀家義務なしの永代供養墓・樹木葬をご紹介しております。

興味がある方は、以下からお近くの地域を選択し、実際にどのようなお墓があるか閲覧してみてください。