無縁仏とは?無縁仏になるとどうなる?対策や手続き、費用を解説

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株式会社エータイ 代表取締役社長

記事監修者:樺山 玄基

2011年9月、当社入社。当社黎明期より、その中枢メンバーとして事業に参画する。2019年8月に現職に就任。企業理念の実現を目指し、「永代供養墓」と「お寺」をキーワードに、より生きやすく、より暮らしやすくするためのソリューションを社会に提供。著書に『令和時代のお墓入門』(幻冬舎)

無縁仏という言葉を聞くと、不安や疑問を感じる人も多いでしょう。

日本では家族がお墓を守り続けるのが一般的でしたが、現代では価値観の変化によりさまざまな供養方法が増え、その結果放置されるお墓も増えています。

「自分や家族は無縁仏にならないだろう」と思っていても、将来同じ問題に直面する可能性は十分にあるため、無縁仏についてよく理解しておくことが大切です。

この記事では、無縁仏の基礎知識や原因、具体的な対策法までわかりやすく解説しますのでぜひ参考にしてください。

無縁仏とは?

無縁仏とは、お墓の管理や供養を行う遺族や親族がいなくなった遺骨や故人のことを指します。

本来、お墓は家族や子孫が引き継ぎ、定期的に供養や管理を行うものです。

しかし少子化や核家族化が進み、お墓を継ぐ人がおらず、お墓が放置されるケースが増えています。

特に一人暮らしの方が多い東京などの首都圏では、無縁仏の件数が多くなっており、2018年度に全国20箇所の政令指定都市が引き受けた無縁仏の数は8000柱を超え、その件数は5年前と比較して1.4倍にも増加しているようです。(参考:増える無縁仏、年8000柱超 政令市で5年前の1.4倍に

また、家族や親族がいた場合でも、遺骨の引き取り手がいなかったり、お墓の管理費を滞納しているお墓も無縁仏という扱いになります。

無縁仏と無縁墓の違い

無縁仏と近しい言葉に「無縁墓」があります。

両者はほとんど同じ意味合いを持ちますが、無縁仏が家族や親族など、供養してくれる人がいなくなった故人もしくはお墓のことを指すのに対し、無縁墓はお墓そのものを指します。

無縁仏と永代供養の違い

永代供養とは、寺院が永代にわたってお墓の管理や供養を行うことをいいます。

永代供養は、最初に一定の費用を支払うことで、家族や親族がいなくなっても寺院が代わりに供養を続けてくれます。

家族や親族などの身寄りがおらず、お墓の供養や管理をしてもらえない場合でも、永代供養を寺院に依頼することで無縁仏になることを防げるというメリットがあります。

このように、永代供養は無縁仏にならないようにするための方法といえます。

無縁仏と墓じまいの違い

無縁仏と墓じまいは混同されがちですが、その意味や背景は異なります。

無縁仏とは、供養や管理をする遺族がいなくなった遺骨や故人を指します。

一方、墓じまいとは現在あるお墓を撤去し、遺骨を取り出して別の方法で供養することをいいます。

墓じまいは、お墓の後継者がいない場合や、管理の負担を減らしたい場合などに行うことが一般的です。

つまり、無縁仏とは「管理する人がいなくなったお墓の状態」のことであり、墓じまいは「無縁仏にならないために、遺族が行う対策」といえます。

適切なタイミングで墓じまいを行うことで、無縁仏を防ぐことが可能です。

無縁仏になるケースとは?5つの原因

無縁仏とは、供養や管理する人がいなくなった故人や遺骨を指しますが、なぜ無縁仏になってしまうのでしょうか。

ここでは、無縁仏になる主な理由を紹介します。

①お墓の承継者がいない場合

無縁仏になる最も代表的な原因の一つが、お墓の継承者がいないケースです。

日本では、お墓は先祖代々引き継がれ、祭祀承継者がお墓の管理や供養を行ってきました。

しかし、近年は子どもがいなかったり、子どもがいても遠方に住んでいるというケースが増えており、お墓の管理や供養が難しくなっています。

このような状況下で管理や供養が行われず放置されるお墓が増え、無縁仏となってしまうケースが増えています。

②お墓を用意していなかった場合

無縁仏となる原因として、そもそもお墓を用意していなかった場合が挙げられます。

故人に家族や親族がいない場合はお墓を用意できないため、最終的に無縁仏になってしまうことになります。

身寄りがない、親族と疎遠でお墓の管理をしてもらえないという場合は、寺院に永代にわたって供養してもらえる樹木葬や永代供養墓を生前に購入しておくことで、無縁仏になることを防げます。

③お墓の管理費を支払えない場合

お墓の管理費を支払えなくなることも、無縁仏につながる大きな要因です。

一般的なお墓では、墓石の建立時の費用だけでなく、継続的に年間管理料が発生します。

しかし、お墓の承継者がいなかったり、承継者がいても経済的な理由などでお墓の管理費を滞納した場合、無縁墓と判断されて最終的にお墓を撤去されてしまうことがあります。

無縁仏となった場合、遺骨は無縁塚や共同墓に移されてしまうため、後日遺骨を取り出すことはできません。

家族や親族がいても、年間管理費が支払われないと無縁仏になってしまうため注意しましょう。

④遺骨の引き取り手がいない場合

遺骨の引き取り手がいない場合も、無縁仏になる可能性が高くなります。

身寄りがない人が亡くなり、遺骨を引き取る人が見つからない場合は、市町村などの自治体が遺骨を引き取り火葬や納骨を行います。

そして、遺骨は無縁仏として自治体が管理する合祀墓などに埋葬されます。

また、家族の関係が希薄な場合、親族がいる場合でも火葬後に遺骨を引き取らないというケースも増えています。

このような場合も、最終的に自治体が遺骨を引き取り、自治体が管理する共同墓などに納められます。

⑤遠方に住んでおり管理ができない場合

お墓がある場所と生活拠点が離れていることも、無縁仏の原因のひとつです。

近年は進学や就職、転勤などで故郷を離れて都市部で生活する人が増えたため、お墓の管理が難しくなるケースがあります。

お墓参りの頻度が減ると、お墓が荒れてしまい無縁仏になってしまう可能性が高くなります。

自宅近くのお墓への改葬や、管理の負担が少ない永代供養墓への切り替えを検討するとよいでしょう。

無縁仏になるとお墓や遺骨はどうなる?

無縁仏になった場合、地方自治体が一時引き取り、行政の管理する霊園にある無縁塚や共同墓に遺骨が移されます。

無縁塚や共同墓とは、無縁仏の遺骨をまとめて埋葬する合葬墓のことをいいます。

無縁塚には複数の無縁仏の遺骨がまとめて納められる、つまり合祀されるため、後日遺骨を取り出すことはできません。

それでは、無縁仏になった際の具体的な処理や手続きについて、ケース別に解説します。

遺骨の引き取り手がいなかったり親族に拒否された場合

一般的には、火葬後の遺骨はいったん自宅等に持ち帰り、法要後にお墓や納骨堂などに納めます。

しかし、遺骨の引き取り手がいなかったり、親族に引き取りを拒否された場合、火葬した自治体で一定期間遺骨が保管されます。保管期間は自治体により異なります。

一定期間がたっても遺骨の引き取り手があらわれなかった場合、無縁仏として自治体が管理し、最終的には無縁塚に合祀されます。

お墓の承継者がいなくなり管理費の滞納などが起こった場合

お墓を管理する人がおらず、お墓の管理費を一定期間滞納した場合は、無縁仏としてお墓が撤去されます。

平成11年3月に改正された「墓地、埋葬等に関する法律施行規則の改訂」という法律では、一定期間料金の滞納があるお墓は、お墓の管理者側の判断で整理できることになっています。

管理費の滞納が続いた場合は、お墓の管理者はその旨を所有者に知らせるため未払いであることを官報に掲載します。

加えて、お墓のよく目立つところに立て札を一年間表示します。

このような対処をしてもお墓の承継者が名乗り出なかった場合は、霊園や寺院などのお墓の管理者側の判断でお墓を撤去することが可能になります。

墓石を撤去してお墓を更地にするときには、遺骨は自治体や霊園・寺院が管理する無縁塚や共同墓に移動され、合祀されます。

管理する霊園が廃業した場合

お墓がある寺院や霊園そのものが廃業して、無縁仏となってしまうこともあります。

もちろん遺骨が勝手に処分されてしまうことはほとんどありませんが、廃業前後に通達をおこなっても連絡が取れなければ、遺骨は上記のケースと同様に無縁塚や共同墓に合祀されます。

なおこのような無縁墓や無縁塚はスペースに限りもあるため、遺骨は収納しやすいよう粉砕したり、一部だけを埋葬して残りは産業廃棄物として処分されてしまったりします。

無縁仏になると自治体やお墓の管理者に迷惑をかけることになるため、なるべく避けることが大切です。

無縁仏にならないための7つの対策方法

無縁仏を防ぐためには、事前の準備や家族間の意見の一致が重要です。

ここでは、無縁仏にならないための7つの対策方法について解説します。

①管理費をきちんと支払う

お墓の管理費を継続的にきちんと支払うことは、無縁仏を防ぐうえで最も重要な対策です。

たとえ草むしりや掃除などの管理が滞っていたとしても、管理費をきちんと支払っていれば無縁仏になる可能性は低くなります。

また、万が一自分が支払えなくなった時に備えて、家族に支払い方法などを伝えておくことも重要です。

②お墓の管理者が誰かを確認しておく

お墓の管理者、つまりお墓の管理に責任がある人を明確にしておくことも、無縁仏を防ぐ重要なポイントです。

お墓の管理は基本的に承継者が責任を持って行いますが、家族間で「誰がお墓を継ぐのか」が明確でない場合、誰からも管理されない放置されたお墓になってしまうことがあります。

現在の承継者が高齢な場合は、次の承継者について早めに話し合っておくようにしましょう。

③永代供養にする

永代供養とは、お墓の管理や供養を永代にわたって寺院に任せることをいいます。

お墓の承継者がいない人や、お墓の管理が難しいという人は、永代供養にすることで無縁仏になることを防げます。

永代供養のメリットやデメリットは以下の通りです。

永代供養のメリット永代供養のデメリット
・一般墓より費用が抑えられる場合が多い

・お墓の管理や供養を寺院に一任できる

・生前契約ができる場合が多い

・一般的に宗旨・宗派が不問
・家族や親族の理解が得られない場合がある

・一定期間後に合祀される場合がある

永代供養は一定期間を過ぎると合祀され、他の人と一緒に合祀墓に埋葬されるケースが多くなっています。

合祀された後も、引き続き寺院に供養してもらえるため安心できます。

また、中には永久に合祀されない「個別埋葬型」の永代供養墓もあります。合祀されない永代供養を希望する人は、寺院や霊園に相談してみるとよいでしょう。

永代供養墓をご検討されている方や興味がある方は、ぜひ以下の資料をご参考にしてみてください。弊社エータイが紹介する永代供養ができる寺院をおまとめしています。

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④生前にお墓を購入しておく

生前にお墓を購入しておくことは、無縁仏を防ぐ有効な対策の一つです。生きているうちに納骨先を確保しておくことで、遺族が供養方法に迷うことがなくなります。

また、自分の希望する立地や供養方法を選べるため、納得できる形で眠れることも大きなメリットです。

近年では、永代供養墓や樹木葬など、お墓の継承者が不要なお墓を選ぶ人も増えています。できれば生前から計画的に準備するようにしましょう。

⑤墓じまいをする

お墓が遠方にあるなどの事情があり、お墓の管理や供養ができないという人は、墓じまいを検討しましょう。

墓じまいとは、墓石を撤去して更地にし、墓地の使用権を管理者に返還することをいいます。

墓じまいで取り出した遺骨の供養方法としては、自宅近くなどに新たなお墓を建立するという方法に加えて、永代供養墓や樹木葬、納骨堂、散骨、手元供養などさまざまな選択肢があります。

家族や親族とよく話し合い、皆が納得できる方法を選ぶとよいでしょう。

⑥友人に死後の手続きを委託する

家族や親族がいないなど、死後に遺骨のことを任せられる人がいない場合は、友人や知人に依頼するという方法があります。

「死後事務委任契約」を結ぶことで、遺品の整理や葬儀や埋葬の手続き・お墓の管理などを友人・知人などの第三者にあらかじめ依頼しておくことが可能です。

ただし、確実に実行してもらうためには契約内容を具体的に定めることや、費用を事前に準備しておくことが大切ですので、専門家に相談しながら進めるようにしましょう。 

参考:死後事務委任契約の注意点 | 国民生活センター

⑦自治体のサポート事業を活用する

自治体の中には、以下のようなエンディングサポート事業(終活支援事業)を積極的に行っているところがあります。

  • エンディングノートの配布
  • 終活相談窓口の設置
  • 終活セミナーの開催
  • 葬儀社やお寺との生前契約サポート
  • 親族や知人への連絡支援

このようなサポートを活用することで、自治体に死後の葬儀や埋葬の手続きを依頼することが可能です。

自治体のサポート事業は、少子高齢化や核家族化が進む中で、住民が安心して人生の最後を迎えるためのものです。

さまざまなサポートが用意されている場合も多いため、興味がある人は自治体に問い合わせてみるとよいでしょう。

無縁仏に関するよくある質問と回答

最後に、無縁仏に関するよくある質問と回答をご紹介します。

無縁仏に手を合わせてはいけない?

「寂しい気持ちである無縁仏が心優しい人に手を合わせられると、感激して憑いてきてしまう」という話から、無縁仏に手を合わせていけないという言い伝えがありますが、これは誤解です。

仏教において、故人を敬う気持ちは大切なものとされています。無縁仏で手を合わせても問題ありません。

無縁仏は地獄に行く?

仏教において、無縁仏は地獄に落ちるとされる明確な根拠はありません。

ただし、昔からの言い伝えの中で「供養されない霊は成仏できず、さまよって苦しむ」という考え方があることから、それが「地獄に落ちる」と表現されている可能性があります。

仏教の正式な教義には「無縁仏が地獄に行く」という考えは存在しませんが、「供養を行うことで、安心して成仏できる」ということは、仏教で大切にされている考え方です。

故人が安らかに成仏できるように、無縁仏にならないような対策を心掛けましょう。

無縁仏は成仏できない?

多くの宗派では、遺族や寺院の供養によって、魂が安らかに成仏すると考えられています。

無縁仏は供養されない、忘れられたお墓という扱いのため、成仏しにくいと考えられることがあります。

後からでも供養されれば無縁仏も成仏できると考えられているため、自分たちでお墓の管理や供養が難しい場合は、寺院に供養を任せられる永代供養にするとよいでしょう。

まとめ

近年は供養や管理が行われておらず、放置されている「無縁仏」が増加しており、社会問題のひとつとなっています。

無縁仏になるとお墓は撤去され、遺骨は無縁塚に移動されてしまうため、後日遺骨を取り出すことはできなくなりますし、自治体や寺院・霊園にも負担をかけてしまうことになります。

合祀墓や永代供養のお墓に改葬するなどして、無縁仏にならないような対策を行うようにしましょう。

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※「いいお墓」に掲載されている全国の企業における永代供養墓の販売数を調査。株式会社鎌倉新書調べ(調査期間:2021年1月1日~2025年12月31日)

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