墓じまいとは?かかる費用や必要な手続き、流れ、注意点を解説
調査概要:「いいお墓」に掲載されている全国の企業における
永代供養墓の販売数を調査。株式会社鎌倉新書調べ
(受付時間9:00〜18:00・365日相談可能)
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近年、少子化や核家族化の影響により、これまでのように先祖代々お墓を継承していくことが難しくなり、お墓を整理する「墓じまい」を選択する人が増えてきています。
将来的にお墓を守ってくれる方がいないと、不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?
この記事では、そもそも墓じまいとはどのようなことか、かかる費用はいくらか、墓じまいを行う際の流れや手順、注意点などについて紹介します。
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墓じまいとは?
墓じまいとは、現在のお墓の墓石を撤去し、更地にし、墓地の管理者に敷地を返すことを指します。
漢字では墓終い、あるいは墓仕舞いなどと書きます。
墓じまい後、お墓の中に納骨してあるご遺骨を取り出し、別の墓地に移すか永代供養墓地などに移すことは「改葬」と呼ばれています。
中には墓じまいの意味を単に「墓石を撤去する事」という風に捉えられている方もいらっしゃいますが、実際には「別の形で供養する」という意味も含まれています。
つまり墓じまいとはマイナスな事ではなく、先祖様のお墓を片付けて、供養する場所を変える・整えるというプラスの意味であるという事を覚えておきましょう。
墓じまいをしないとどうなる?
もしお墓を継ぐ人がいないにもかかわらず、墓じまいをしなかった場合、そのお墓はいわゆる無縁仏となってしまいます。
無縁仏とはお墓を管理する人のいないお墓のことで、その後は行政や管理者によって撤去されることになってしまいます。
つまり先祖代々受け継いできたお墓だからという理由で後継者不在の中放置してしまうと、かえって罰当たりな結果になってしまうというわけです。
もし親戚やご家族など、お墓を継いでくれる方などがいない場合は、一度墓じまいの検討をおすすめいたします。
墓じまいが増えている理由とは?
次に、墓じまいが近年増えている理由について紹介していきます。
墓じまいの後に「改葬」をするケースが多くを占めていることから、改葬の件数を見てみましょう。
参照元:衛生行政報告例 / 平成29年度衛生行政報告例 統計表 年度報
統計庁のデータによると、ここ数年は毎年8万件以上の改葬が行われており、年々少しずつ増加しています。同じく厚生労働省の衛生行政報告例によると、2019年度は12 万件を超えて過去最多となっています。
改葬が増加傾向にあることからも、墓じまいをする人が増えていることは明らかと言えます。
このように墓じまいが増えている理由として、大きく3点があげられます。
1.お墓を継ぐ人がいない
生涯未婚であったり、子どもがいない夫婦、また子どもが娘だけしかおらず、嫁いでいる家族などが増えています。
そのため、お墓の承継ができなくなり墓じまいをする人が増えています。
2.墓参りをすることが困難
昔のように大家族の中で生まれ育ち、生まれた地域に住んで一生を終えるという人がかなり少なくなってきています。
これは核家族化の進行と都市部への人口集中により、日本人のライフスタイルが大きく変化していることが影響しています。
また、長男、長女が結婚した場合、両家のお墓を守っていくことになりますので、遠方にお墓があると負担が大きくなり、「墓じまい」して身近な地域に改葬する選択などが取られます。
高齢の場合、お墓参りやお墓のお手入れに行くのが体力的な負担になることも、墓じまいが増えている理由といってもよいでしょう。
3.経済的な理由
お墓の維持費や管理費、お寺へのお布施などは、年間で計算するとかなりの金額になります。
昔であれば、家を継いだ人が当たり前のように支払っていました。
しかし、少子高齢化・核家族化が進んだことによって、家族の形やライフスタイルが変わり、維持費を支払うのが困難になりました。
お墓を継げないという場合もありますが、お墓が遠方にあることにより、子どもたちに負担をかけたくないという気づかいで、墓じまいや改葬を考えている方も増えています。
また墓じまいして、新しく別のお墓を建ててみようかなとお考えの方は、是非以下のフォームから資料をダウンロードしてみてください。
墓じまいの費用相場と内訳
「墓じまい」の相場は、ご遺骨の数により変動はありますが、50~100万円程度のお金がかかります。
かかってくる費用の内訳は、大まかに以下のようになります。
- 墓石の撤去
- 出骨作業
- 納骨料
- 遺骨移送
- 行政手続き
- 新たな納骨先にかかる費用
この他に、これまでのお墓が寺院墓地だった場合には以下の費用がかかります。
- 離檀料
- 御魂抜き法要のお布施
それぞれの概要やかかる費用目安について解説していきましょう。
墓石の撤去
基本的に、お墓の敷地はお寺などから借りている形になります。
そのため、墓じまいする場合は、全てを撤去し、更地にしてお返しする必要があります。
墓石の撤去費用は、1平方メートルあたり10万円がおおよその相場となります。
こちらは石材店に依頼することになりますが、霊園や墓地によっては、依頼できる石材店が決まっていることがありますので、事前に確認しておきましょう。
費用に関しては墓地の広さ、墓石の量や大きさ、撤去作業の内容などによって変わってきますので、事前に石材店から見積もりを取り、確認しておきましょう。
出骨作業
墓じまいの実際の作業には、遺骨をお墓から取り出す作業が必要となります。
こちらは、ご遺骨一体につき、大体4万円~5万円で行う業者が多いようです。
納骨料
遺骨を取り出したら、次に新しく納める永代供養墓、墓地、納骨堂などへ納骨をします。
ご遺骨の移送に際しては、「閉眼供養」に対して、「開眼供養」が必要となります。
こちらにもお布施が必要で、閉眼供養同様、お気持ちなので決まりはありませんが、1万円~5万円ほどかかってきます。
遺骨移送
また遺骨の移送費用として、ご遺骨一体につきだいたい2万円~3万円が必要です。
ただし長距離の移送には手間がかかり、追加で費用が発生する場合もあるため、詳しくはあらかじめ業者に確認をしましょう。
行政手続き
改葬を行う際に必要な書類に費用がかかります。
「埋葬証明書」や「改葬許可証」の発行には、数百円から数千円の手数料がかかる場合があります。
離檀料
離檀料とは、寺院の檀家を離れる際、寺院側にお渡しするお布施のことです。
寺院墓地の場合、別の場所へ改葬するには離檀料(檀家を離れるための料金)が必要です。
長年お世話になった寺院の檀家を離れる際は、事前に住職と相談しておくことが大切です。
お布施に決まりはありませんが、相場はだいたい3万円~20万円となります。
もちろん、お付き合いの年数や状況、お寺の格によっても変化しますが、多くても20万円程度までが目安となります。
御魂抜き法要のお布施
また、お墓には仏様の力が宿ると考えられており、お墓をただの石にするために「閉眼供養」を行います。
閉眼供養は僧侶の読経が不可欠なため、読経していただいた謝礼であるお布施も必要です。
本来お布施はお気持ちなので、いくらという決まりはありませんが相場はだいたい1万円~5万円となります。
新しい納骨先にかかる費用
墓じまい後、改葬先で納骨する際には、一般墓、納骨堂、永代供養墓などが選択肢として挙げられますが、こちらもそれぞれ費用がかかります。
新しくお墓を建てる場合はおよそ100万円前後、永代供養で合祀する場合は10万円〜30万円程度の費用がかかります。
墓じまい後の供養方法とそれぞれの特徴、費用については、墓じまい後の供養方法は?のパートで詳しく解説します。
以上が墓じまいにかかる費用となります。墓じまいの費用相場と、費用を抑える方法についてさらに詳しく知りたい方は以下の記事も参考にして下さい。
墓じまいやり方は?必要な手続きと流れ
前章までで、墓じまいとはどのようなことか、なぜ墓じまいをする方が増えてきたか、そしてどの程度の費用がかかるのかを紹介しました。
しかし、実際墓じまいを行う場合にはどのような流れで準備すればよいか分からない方も多いのではないでしょうか?
ここでは墓じまいを行う際の流れについて紹介します。
- 親族の同意を得る
- 墓地管理者に墓じまいすることを伝える
- 移転先から「受入証明書」を発行してもらう
- 「改葬許可申請書」をもらう
- 現在の墓地から「埋葬証明書」を発行してもらう
- 遺骨を取り出し、墓石を撤去する
- 「改葬許可証」を提出
- 遺骨を移転先に納骨する
1.親族の同意を得る
墓じまいで一番多いといわれているのが親族間でのトラブルです。
そのため、墓じまいを検討するときや手続きを行う前には親族への相談、同意を得ることがとても大切です。
特に、親族の中で「お墓は代々継承し守っていくもの」という考えを持っている方がいる場合は、その方の説得が何より大切と言えます。
親族間でのトラブルを未然に防ぐためにも、墓じまいをする際は事前に親族の同意を得た上で行うようにしましょう。
2.墓地管理者に墓じまいすることを伝える
現在の墓地管理者に墓じまいを行うことを伝えます。
墓じまいは、日ごろから檀家の供養を行っているお寺にとって気持ちの良いものではなく、伝え方によっては思わぬトラブルになりかねません。
そのため、「墓じまい」を検討した際には、その理由や事情などを相談しながら、管理を続けることが難しい旨を丁寧に伝えることが大切です。
3.移転先から「受入証明書」を発行してもらう
次に、墓じまい後に遺骨をどこに受け入れてもらうかを決める必要があります。
一般墓地や永代供養墓、散骨などの中から親族とも話し合って、墓じまい後の受け入れ先を決めます。
遺骨の受け入れ先が決定した際には、受け入れ先の墓地・霊園の管理者・事務所からご遺骨の受け入れを承認したと証明するための書類「受入証明書」を受け取りましょう。
改葬・お墓のお引越しの手続きに必要な書類である「改葬許可証」を市区町村役所から発行してもらう際に、他の書類とともに必要な書類となりますので、受入証明書は紛失しないよう大切に保管してください。
※霊園などによっては、新規の遺骨の受け入れをしていない場所もありますので、事前の確認が大切です。
4.「改葬許可申請書」をもらう
遺骨の受け入れ先が決定し、墓じまいが具体的になってきたところで、現在のお墓がある市区町村役場から「改葬許可申請書」を取り寄せて記入します。
改葬許可申請書とは、お墓を移動させる許可を、現在のお墓を管轄している市区町村役場に申請する書類のことです。改葬許可の手続きを行う市区町村役場の担当窓口に備え付けられています。
こちらも役所でもらえる他に、役所のホームページからもダウンロードすることが可能です。改葬を申請した者の氏名・住所や、ご遺骨の氏名、改葬先の墓地・霊園の名称などの事項を記入する必要があります。
なお、改葬申請者とお墓の名義人が違う場合のみ、「改葬承諾書」が必要になります。これはお墓の名義人が改葬や墓じまいを承諾していることを証明する書類です。
改葬承諾書に必要事項を記入して捺印をしてもらいます。この際に、「委任状」も作成しておくとよいでしょう。
5.現在の墓地から「埋葬証明書」を発行してもらう
改めてお墓の管理者に墓じまいの件をお伝えし、遺骨が墓地に埋められていることを証明する「埋葬証明書」を発行してもらいます。
こちらはご遺骨一体につき一通必要です。ご遺骨の分だけ、埋葬証明書を用意してもらう必要がありますが、一枚に複数の遺骨の情報を記入できる場合もあります。
故人の氏名などの情報に加えて、墓地の管理者の署名捺印が必要となります。こちらの様式も市区町村役場や役所のホームページからダウンロードできますので様式を確認しておくといいでしょう。
6.遺骨を取り出し、墓石を撤去する
「改葬許可証」が下りたところで、遺骨をお墓から取り出す作業を行います。
お墓には仏様の力が宿ると考えられていますので、ご遺骨をお墓から取り出す際には、お墓をただの石にするための「閉眼供養」を行います。
閉眼は仏像の目を閉じるという意味があり、「魂抜き」、「性根抜き」などと呼ばれることもあります。
僧侶を招いてお墓の前で読経してもらい、家族や身内の者で焼香をします。また、お墓の掃除や花・供え物も用意が必要です。
またこのときのお作法として、服装は喪服か黒のスーツ、ワンピースを着用しましょう。
なお閉眼供養のときにはお坊さんにお礼としてお布施を支払うのですが、3万円~5万円ほどを封筒に包んで「お布施」と表書きを入れてお渡しします。
お墓から遺骨を取り出したところで、お墓を解体して撤去をすることになります。この作業は石材店に依頼します。
ただし、霊園や墓地によっては、管理の面や重機の問題で依頼できる指定の石材店が決まっていることがありますので、事前に確認しておくといいでしょう。
指定の石材店がない場合は、評判や金額などを元に自分たちで選ぶことになりますので、複数の石材店から相見積もりを取るとよいでしょう。
7.「改葬許可証」を提出
「受入証明書」「改葬許可申請書」「埋葬証明書」を、現在のお墓がある市区町村役所に提出し「改葬許可証」という墓じまいと改葬を許可する証書を発行してもらいます。
地域によっては、申請者とご遺骨の間柄やご遺骨の死亡年月日がわかる戸籍謄本が必要になることもあるようですので、事前に確認しておきましょう。
8.遺骨を移転先に納骨する
最後に次の移転先に遺骨を納骨します。
移転先には墓石のお墓だけではなく、永代供養や樹木葬といった新しいお墓も人気です。
弊社でも厳選寺院の永代供養や樹木葬のお墓を取り扱っております。
墓じまいして、新しく別のお墓を建ててみようかなとお考えの方は、是非以下のフォームから資料をダウンロードしてみてください。
墓じまいの手続きについて、さらに詳しく知りたいという方は、以下の記事も参考にしてください。
墓じまい後の供養方法は?
ご遺骨は必ずお墓に入れなくてはならないというルールはありません。
そのため、一般墓地への改葬以外にも、永代供養墓や手元供養、散骨など、費用の負担を抑えて、管理の必要がないご遺骨の処理方法を選択する方も多くいます。
ここでは墓じまい後の供養方法について、それぞれの方法を解説します。
墓じまい後の供養方法は主に以下の種類があります。
- 一般墓への改葬
- 永代供養墓
- 樹木葬
- 手元供養
- 散骨
- 納骨堂
- 合祀墓
それぞれの方法を解説します。
一般墓への改葬
別の墓地・霊園に建てた通常のお墓に移すことを指します。
メリットとして、自分たちが参拝しやすい場所に移すことで、管理やお参りが楽になること、夫婦二人の両家のお墓をひとまとめにすることが可能な点が考えられます。
ただし、通常のお墓を新たに取得するには、お金がかかるというデメリットもあります。
新しい墓地を使おうとすると、まず新しいお墓を建てるのに100万円前後、さらに永代にわたって土地を使う権利を取得するための費用(永代使用料)が数十万円から100万円以上かかってきます。
なお、永代使用料は立地条件や公営・民営、寺院などによっても変わるので一概にはいえません。
このように改葬にはまとまったお金が必要となることを覚えておきましょう。
永代供養墓
永代供養墓とは、寺院や霊園にご遺骨の管理を永代にわたって任せることです。
通常のお墓への改葬だと、またお墓を継ぐ人を考えなければいけませんが、永代供養墓であればその心配はありません。
永代供養墓には、遺骨を個別に安置せず、他の方の遺骨と一緒に埋葬や納骨する形(合祀型)と、通常のお墓同様、個別の区画に納骨ができる形(個別型)があります。
一定期間は個別に安置した後、合祀されるものもあります。
合祀型の場合の費用は10万円から30万円、個別型でも30万円から100万円という価格でご遺骨を供養してもらうことができるので、通常のお墓よりも費用が安くなります。
また、墓地管理者がお墓の手入れをしてくれることも、メリットの一つです。
ただし、合祀あるいは一定期間後に合祀の場合は、自分のお墓がなくなり、遺族は合同墓にお墓参りすることになります。
また、合祀した場合は遺骨が取り出せないというデメリットもあります。
樹木葬
樹木葬とは、ご遺骨を樹木や草花の下に埋葬し、それらの植物を墓標とするお墓の形式のことです。
土に還ることを目的とし、遺骨をパウダー状にして撒いたり、土に還りやすい素材の容器に遺骨を移し替えて埋葬したりします。
自然に還るという発想から、近年になって大変人気が出てきています。
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手元供養
手元供養とは、ご遺骨をお墓などに埋めずに、自宅などに置いておく供養手法です。
最近では、遺骨をペンダントや指輪に変えて、アクセサリーとして常に身につけるなどの手法を取ることもできます。
ただし、手元供養をしていた方が亡くなるなどすると、家族や親族がそのご遺骨も引き取ることになり、対処が必要になってくる場合もあります。
散骨
散骨とは、遺骨を粉末状にして海や山などに撒く供養の方法です。
ただし、散骨は市区町村によっては禁止や制約がなされている場所もあります。
そのため、市区町村によるルールや条例をきちんと調べて散骨を行う必要があります。
納骨堂
納骨堂とは、個人の遺骨を保管するスペースを設けた建物です。
永代供養墓や樹木葬などのお墓は、墓石や樹木が屋外にあるのが一般的ですが、納骨堂は屋内に遺骨を保管します。
また、納骨堂に納められた遺骨は、13回忌などの一定期間は個別スペースで供養を行い、その後は他の方の遺骨とまとめて合祀する流れが多い傾向にあります。
合祀墓
合祀墓とは、骨壺から遺骨を取り出し、他の遺骨と一緒の場所に入れ供養するお墓です。
少子化や核家族化の影響もあり、お墓の後継者のいらない合祀墓の利用が増えています。
また、費用が他のお墓に比べて安いため、お墓の費用を抑えたいという方も多く利用されています。
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墓じまいで起きやすいトラブルとその対策
墓じまいを行う際は注意しなければならないこともあります。墓じまいを決める前に、起こりやすいトラブル事例やその対策についてもしっかりと確認しておきましょう。
親戚間で後々トラブルになることがある
代々受け継いだお墓を墓じまいすることに抵抗のある方が親戚間にいる場合、墓じまいをきっかけにトラブルになることがあります。
トラブルを避けるためにも、事前によく話し合いを行いましょう。
離檀の際に寺院とトラブルになることがある
墓じまいをするということは、お寺からすると今まで管理してきたお墓が無くなるだけではなく、その檀家から入ってくる寄付金、法事の謝礼など、収入が減ることにつながります。
そのような背景から、寺院から法外な離檀料を請求される、などといったトラブルになる場合もあります。実際、改葬を申し出たら高額な離檀料を請求されたというケースも起きています。
そのため、トラブルを避けるためにも、長年お世話になった寺院の檀家を離れる際は、可能な限り前もって直接寺院に行き、離檀せざるを得なくなった事情を丁寧に話し、感謝と共に考えを伝えることが大切です。
もし、住まいがお寺と離れていて直接行くことが難しい場合は、あらかじめ手紙で事情を説明し、電話で住職に相談することが望ましいでしょう。
離檀料を請求された場合、支払わなければならないという法的な決まりはありませんが、住職に対して丁寧な説明を心がけ、思わぬトラブルにならないように心がけましょう。
石材店との墓石撤去料にまつわるトラブルにも注意
お墓の建っている区画は多くの場合、墓地管理者に対して「永代使用料」を支払い使わせてもらっています。
従って、墓じまいをする際は、墓石を撤去した後、借りていた土地をきれいな更地に戻し、返却する必要があります。
これらの作業は石材店に依頼することになるのですが、この時に撤去料が思いも寄らない高額な請求となることがあるのです。
例えば、お墓の通路が狭く重機を使用できない場合や、複数のお墓で共同の土地を使用している場合などは、通常よりも手間がかかるため、思った以上に見積もりが高くなる場合があります。
このような事を回避する為にも、事前に細かい見積もりを依頼するようにしましょう。
後悔なく墓じまいをする為には?
前章までで解説してきたことを踏まえ、後悔することなく墓じまいをする為に事前に理解しておくべきこと、行っておくべきことを解説します。
ご遺骨をどうするか親族間でしっかり話し合って決める
墓じまいした後のご遺骨をどうするのか、親族間でしっかり話し合って決めましょう。
前述したように墓じまい後は様々な方法で供養できます。
どうやってご遺骨を供養するのかは、自分だけではなく親族ともよく話して決めることが大切です。
いつ墓じまいを行うのか時期を検討しておく
「墓じまいは、「この時期におこなわなければならない」という決まりはありません。
ただ墓じまいについて検討する時期としては、やはり親族が集まるタイミングが多いでしょう。
たとえばお盆や正月、その他年忌法要のときなどがそれにあたります。
また墓じまいをおこなう上で、場合によっては季節を考慮したほうが良いでしょう。
例えば、北日本の場合は真冬だと雪が積もって遺骨をお墓から出せなくなってしまったり、墓石解体の重機を搬入できなくなったりするため、そういった時期は外して考える必要があります。
最終的には作業をおこなってくれる石材店や墓じまいのサポートをしてくれる業者に相談・確認をしてください。
墓じまいにかかる手間と費用を把握しておく
この記事でも解説してきた通り、墓じまいをする際には、行政手続きなど手間や墓じまい費用がかかります。
かかる費用の相場は、50万円から100万円ほど。そのため、墓じまいを検討する場合は、ある程度まとまった資金を用意する必要があります。
また、墓じまいに必要な各種書類の用意・提出、墓じまい後のお墓をどうするか?など、やならければいけないことも多いです。
スムーズに行うためにも、事前に必要な手続きや費用面などを把握しておくようにしましょう。
墓じまいの費用が払えない場合はどうしたら良い?
ここまでの解説で分かる通り、墓じまいには決して安くない費用がかかります。
しかし、中には事情により墓じまいをしたくてもその費用が払えないという方もいらっしゃるかと思います。
そこで、ここでは事情により墓じまいの費用が払えない場合の対処法について解説致します。
家族や親戚に相談する
まず最も最初に考えたいのは、家族や親戚に相談するという事です。
そもそもお墓は個人ではなく、家族や親戚みんなで管理していくものです。
一人で抱え込まず、身近な人間に相談しましょう。
兄弟がいれば兄弟でお金を出し合うことも考えたいですね。
自治体に相談して補助金の活用を検討する
場所によっては、墓じまいの補助金制度を設けている自治体もあります。
自治体によって制度の有無や内容が違うので、まずは確認してみましょう。
例えご自身の地域が補助金制度を設けていなくても、お墓が放置されるのは自治体としても避けたいことなので、まずは相談してみる事をおすすめします。
メモリアルローンを使う
家族への相談も、自治体への相談も難しかった際、最終手段として考えたいのがメモリアルローンです。
メモリアルローンとは、お墓や葬儀などに関わる費用のために利用できるローンの事をいいます。
審査が早く、スムーズに通りやすいのが特徴です。
一般的にはお墓を立てる時に使われますが、墓じまいでも審査が下りる可能性があります。
ただし、あくまでローンですので、最後の手段として考えると良いでしょう。
墓じまい代行という選択肢も
近年墓じまいが増加している事もあり、墓じまい代行というサービスも増えています。
墓じまいの主な工程である
- 出骨と納骨
- 墓石の撤去や解体
- 改葬手続き
などを代行してくれます。
全てを依頼する事もできますし、部分的に依頼する事もできます。
代行業者によって、内容が異なるため事前にどこまで代行してくれるかを確認しましょう。
また、お願いしたら内容が思っていたのと違ったりなどのトラブルがある場合もあるので、業者選びは慎重に行う事をおすすめします。
まとめ
今回の記事では墓じまいについて解説してきました。
墓じまいは費用もかかり、様々な手続きも必要になりますが、自分たちの生活に合わせてお墓を変えていくことができるため、今後さらに増えていくことが予想されます。
ご自身だけではなく親族間やお寺と相談し、慎重に検討を進めてみてはいかがでしょうか?
ぜひとも後悔のないように、この記事の内容がお役に立てれば幸いです。
また弊社では永代供養や樹木葬のお墓を取り扱っております。
墓じまいして、新しく別のお墓を建ててみようかなとお考えの方は、是非以下のフォームから資料をダウンロードしてみてください。
調査概要:「いいお墓」に掲載されている全国の企業における
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