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お墓の基礎知識

永代供養と無縁仏の違いとは?無縁仏を防ぐために知っておきたい知識

永代供養と無縁仏の違いとは?無縁仏を防ぐために知っておきたい知識

目次

近年は、管理者がおらず放置されているお墓や故人を指す「無縁仏」の増加が社会問題となっています。

無縁仏にならないための対策方法として「永代供養」という言葉もよく耳にしますが、それぞれの意味や違いについてわからないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では、永代供養と無縁仏のそれぞれの意味や違いについて詳しく解説します。無縁仏にならないために、墓じまいをして永代供養にする方法も紹介するので、参考にしてください。

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永代供養と無縁仏の違い

「永代供養」と「無縁仏」は、どちらもお墓や供養に関する言葉ですが、その意味には大きな違いがあります。

永代供養とは供養方法のひとつであり、遺骨の管理や供養を寺院に一任することをいいます。

一方、無縁仏とは供養や管理をしてくれる人がいなくなったお墓や遺骨のことを指します。

無縁仏は「遺骨の管理や供養が途絶えた状態」のことを言い、永代供養は「無縁仏にならないための仕組み」と言うことができます。無縁仏と永代供養について、さらに詳しく解説していきます。

無縁仏とは?

無縁仏とは、管理や供養をしてくれる人がいなくなり、放置されてしまっているお墓や故人のことをいいます。

無縁仏は「縁がない仏様」という意味で、家族関係や親族の繋がりが途絶えたお墓とも言えます。

墓地行政に関する調査(令和5年)」によると、公営墓地や納骨堂などにおいて無縁仏が発生している市町村の割合は58.2%となっており、無縁仏が増えていることが社会問題となっています。

無縁仏になる理由

無縁仏になる主な理由は以下の通りです。

  • お墓の継承者がいない
  • お墓の維持管理費が支払えない
  • 子どもが遠方に住んでいてお墓の管理ができない

近年は少子化や未婚化などの影響で、お墓を継承する人がいないケースが増えた結果、無縁仏が増加しています。

また、維持管理費を支払わず滞納してしまったり、子どもが遠方に住んでいてお墓の管理ができない場合も無縁仏になってしまうことがあるため注意が必要です。

無縁仏になるとお墓はどうなる?

お墓が無縁仏になると、以下のような手続きを経た後に墓石が撤去されます。

  1. お墓の管理費が滞納される
  2. 管理者から関係者へ連絡や通知が行われる
  3. 掲示板などに公告が出される
  4. 申し出がなければ無縁墓と判断される
  5. 墓石が撤去される
  6. 取り出された遺骨は合同墓に埋葬される

お墓の管理費が滞納され、一定期間が経過しても関係者に連絡がつかない場合は、正式に「無縁仏」と判断されて墓石は撤去されます。

また、取り出された遺骨は合同墓で供養されますが、遺骨を取り出せなくなるため注意が必要です。

無縁仏のデメリット

無縁仏になると、さまざまなデメリットがあります。

まず、無縁仏になると遺骨は合同墓に合祀されるため、個別の供養ができなくなります。

また、先祖代々引き継いできた墓石が撤去されてしまうため、「自分の代でお墓を失ってしまった」と精神的にショックを受けてしまうこともあります。

加えて、無縁仏になるとお墓が荒れてしまい、周りのお墓にも迷惑をかけてしまいます。

このように、無縁仏になると様々なデメリットがあるため、お墓の維持が難しくなってきた場合は、墓じまいなどの対策をすることが大切です。

永代供養とは?

「永代供養」と「無縁仏」は似ている言葉と捉えられることもありますが、まったく別の意味があります。

ここでは、永代供養について詳しく解説します。

永代供養の意味

永代供養とは、寺院が遺骨の管理や供養を永代にわたって行ってくれる供養方法のことをいいます。

墓石を建てる一般なお墓では、お墓の継承者が年間管理費を支払い、墓地の管理をする必要がありますが、永代供養のお墓であればお墓の管理や供養を寺院に任せられます。

また、永代供養のお墓では永代供養料を最初に一括で支払うことが多く、年間管理費が不要なケースも多くなっています。

永代供養のメリット・デメリット

永代供養のメリット・デメリットは以下のとおりです。

メリットデメリット
お墓の継承者が不要個別供養期間の制限がある場合が多い
お墓の費用を抑えられる従来のお墓参りができないことがある
宗旨・宗派が不問な場合が多い親族の理解を得にくいことがある

永代供養は遺骨の管理や供養を寺院に任せられるため、お墓の継承者がいなくても安心できます。また、墓石を建立しないため費用を抑えられることもメリットです。

一方で、永代供養では個別安置期間が決められていることが多くなっています。個別安置期間終了後は他の人の遺骨と一緒に合祀され、遺骨を取り出せなくなるため注意が必要です。

また、親族の理解を得にくいこともあるため、しっかりと話し合いを行うようにしましょう。

無縁仏にならないための対策方法

無縁仏にならないためには自分や家族の将来を考え、どのような供養を受けたいのかを考えることが大切です。

ここでは、無縁仏にならないための対策を3つ紹介します。

墓じまいをして永代供養にする

無縁仏を防ぐ最も一般的な方法が、墓じまいをして永代供養のお墓に改葬することです。

墓じまいとは、現在のお墓から遺骨を取り出し、墓石を撤去して墓地を管理者に返還することをいいます。

取り出した遺骨は永代供養のお墓に改葬することで、寺院が代わりに遺骨の管理や供養を行ってくれます。

永代供養にすれば、遺骨やお墓が放置されることがなくなるため、無縁仏になる心配はなく、安心できます。

散骨する

散骨とは、遺骨をパウダー状にして海や山に撒いて供養する方法をいいます。

散骨はお墓を持たないため、管理費の支払いやお墓の管理などの負担がかかりません。また、お墓の継承者がいなくても無縁仏になる心配がありません。

近年はお墓そのものを持たない供養を希望する人も増えており、無縁仏にならない供養方法として散骨も注目されています。

散骨には、海に遺骨をまく「海洋散骨」と、山に散骨する「山林散骨」があります。

ただし、自治体によっては散骨を制限している場合もあるため、事前に確認するようにしましょう。

手元供養にする

手元供養とは、遺骨を自宅などの身近な場所で保管・供養する方法です。

手元供養はお墓の費用がかからず管理費や掃除などの負担もないこと、故人を身近に感じられることが魅力です。

ただし、手元供養をしている人が亡くなった場合、いずれかのお墓に遺骨を埋葬する必要があります。

手元供養をする場合は、将来遺骨をどうするのかについて、家族とよく相談しておくようにしましょう。

墓じまいをして永代供養にする費用相場と手順

近年は、無縁仏にならないように、墓じまいをして永代供養にする人も増えています。

ここでは、墓じまいをして永代供養にする際の費用や手順について解説します。

墓じまいの費用相場

墓じまいにかかる費用の種類と費用相場は以下のとおりです。

費用の種類費用の内訳費用相場
墓地の撤去にかかる費用墓石解体・撤去・整備費用20万円~50万円
僧侶への費用離檀料(寺院による)数万円~20万円
閉眼供養のお布施代3万円~5万円
行政手続きの費用埋葬証明書・受入証明書数百円~1,000円ほど
新しい納骨先(改葬先)にかかる費用お墓の種類による10~200万円
開眼供養のお布施代3万円~5万円

墓じまいをする際は、墓石を解体・撤去する必要があるため、まとまった費用がかかります。

費用をできるだけ抑えたい場合は、複数の業者から見積もりを取り、比較して決めることが大切です。

また、改葬先の購入費用を抑えることで、墓じまい全体の費用を安くできます。

費用をできるだけ抑えたい場合は、改葬先をよく検討して選ぶようにしましょう。

永代供養の費用相場

永代供養のお墓には永代供養墓や樹木葬、納骨堂などがあり、費用相場は以下のとおりです。

改葬先の種類費用相場
永代供養墓5万円~150万円程度
樹木葬5万円~70万円程度
納骨堂10万円~100万円程度

永代供養の種類ごとの特徴や費用相場を知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

永代供養に改葬する手順

墓じまいをして永代供養に改葬する手順は、以下のとおりです。

  1. 家族や親族と相談する
  2. 墓じまい後の納骨場所を決める
  3. 墓地の返還手続きをする
  4. 役所に改葬許可を申請・取得する
  5. 閉眼供養を行う
  6. 遺骨を取り出す
  7. 墓石の撤去と墓所を整備する
  8. 新しいお墓に納骨する

墓じまいをする場合は、後々のトラブルを避けるためにも家族や親族の同意を得ることが大切です。

また、墓じまいには行政の許可が必要なため、墓じまいをスムーズに進めるためにも早めに申請を行いましょう。

墓じまいの手順については、以下の記事も参考にしてください。

墓じまいの注意点

墓じまいをする際は、トラブルが起こらないように以下の点に注意する必要があります。

  • 親族間で話し合い合意を得る
  • 相見積もりを取って石材店を選ぶ
  • 離檀する際は感謝の気持ちを伝える

墓じまいでは先祖代々のお墓を撤去するため、親族と意見が合わないこともあります。

そのような場合は何度も話し合いを行い、最終的に合意を得てから墓じまいを進めることが大切です。

また、墓石を撤去する際は石材店に依頼しますが、稀に高額な料金を提示されることがあります。石材店は相見積もりを取って比較して選ぶようにしましょう。

離檀の際は、今までお世話になった感謝の気持ちを伝え、離檀料をお渡しするようにしましょう。

離檀料については、以下の記事も参考にしてください。

永代供養と無縁仏に関してよくあるQ&A

永代供養と無縁仏について、よくある質問を紹介します。

無縁仏になるとどうなりますか?

寺院や霊園に無縁仏と判断された場合、最終的に墓石は撤去され、遺骨は合同墓に合祀されます。合祀された後は遺骨を取り出せなくなるため、無縁仏にならないように、早めに対策を行うことが大切です。

永代供養はいつまで行ってもらえますか?

永代供養では、個別安置期間が決められていることが多く、期間が終了すると合祀されます。

個別安置期間が終わって合祀された後も、寺院による供養は継続して行ってもらえるため安心してください。

まとめ

永代供養と無縁仏という言葉は似ているように見えますが、意味は大きく異なります。

永代供養は、無縁仏になるのを防ぐための供養方法です。

寺院に遺骨の管理や供養を任せられるため、お墓の継承者がいなくても無縁仏になる心配がなく、安心して眠れるというメリットがあります。

永代供養のお墓には永代供養墓や樹木葬、納骨堂があります。それぞれ特徴が異なるため、自分に合ったものを選ぶようにしましょう。



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※調査期間:2021年1月1日~2024年12月31日/調査概要:「いいお墓」に掲載されている全国の企業における永代供養墓の販売数を調査。株式会社鎌倉新書調べ

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